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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

線を探して

京都市立美術館は以前、常設展示の出来ない状況だった。
それがいつからかコンセプトをたてて、死蔵していた、それこそ誰も知らないような作品を並べてくれるようになった。
全くありがたい。
『線を探しに』
このタイトルで・このコンセプトで所蔵品がピックアップされ、会場に並んでいる。

わたしは基本的に近代が好きだ。
戦前までの作品に好きなものが多い。
戦後も思想の転換期を迎える以前までの日本画・洋画・版画・工芸・建築などを好んでいる。

『線を探して』
近代から現代までのアートの中で。

西村翠嶂の優雅な女たち。この絵を見るのは二度目だが、今度一度こうしたコンセプトでの展覧会を開催してほしい。
仙女・羅浮仙から官女まで
こんな感じ。
手に手に篳篥や鉦や笙などを持ち演奏しながら歩む女たち。彼女らを待つ女もいる。『広寒宮』
明治の日本画。

『呉服漢織之図』 これは池田の呉服(ゴフクではなくクレハ)という地に住まう機織姉妹の物語絵だが、上古の姉妹は美しく微笑みながら働いている。幸野楳嶺、やはり明治らしい明治の日本画。

『観画』 タイトルだけなら前田青邨のチャイナ服のご婦人方の一群を思い出すが、これは中世の貴人の少年たちを描いている。
公卿か武家かはわからないし、兄弟なのか友人なのかもわからない。二人が見入っているのは合戦絵巻だ。
端正な少年たち。
わたしは彼らを勝手に安王・春王と呼ぶことにした。
「結城の合戦」で命を落とした二人の少年。
わたしの心の中にイメージが広がる・・・
菊池契月は臈たけた婦人やさわやかな少女もよいけれど、こうした美少年は他の追随を許さない。
『敦盛』に並ぶ美少年の『観画』
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中国文学や故事に詳しい橋本関雪が描く『長恨歌』
5シーンからなる物語。
華清池に始まり皇帝が偲ぶ情景まで。
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数年前、国立劇場で大仏次郎原作の『楊貴妃』を観劇した。
福助が楊貴妃、現・三津五郎が高力士、九世三津五郎が玄宗皇帝というキャスティングだった。
わたしは三津五郎と福助のカプリングが好きだ。
『お艶殺し』『狐狸狐狸話』そしてこの『楊貴妃』全て新作だが、この二人の演ずる”どうにもならない”関係が好きで仕方ないのだ。
時々思うことがある。
わたしの偏愛する映画『浮雲』を舞台化するなら、三津五郎と福助で見てみたいと。森雅之と高峰秀子とはまた一味違う、しかしながらやはり、どうにもならない二人になるだろう。
話がずれた。

梥本一洋マツモトイチヨウの『鵺』 三人の上臈が小舟に乗る。
これは黒田清輝の『智・感・情』同様、観念を女性のカタチで表したものだ。
女たちは打ち伏せている。理由はわからない。謡曲から取材したものだが、何を意味するのか。
鵺は虎と猿と蛇のキメラである。メタファなのか、それとも・・・・・・・・・

伊藤快彦『大奥女中』 これは初見なのだが、見たことがあるように思った。ああわかった。二月の『美の遺産』でみた武二の大奥の女に似ていたのだ。おすべらかしの官女。洋画家と言うより油絵師の絵と言う方が合う。

千種掃雲『蓮池』 以前から好きな作品。これは働く母と幼児の絵だが、この蓮池を見るとチェン・カイコーの『花の影 風月』を思い出す。クリストファー・ドイルの独特の美意識に支えられた映像。蓮池を行く舟。
アジサイと蓮と羊歯があれば、わたしはその庭に暮らすよ、椿の時期まで。

他にもいい絵が沢山あったが、書ききると、本が欲しいなーと思うのでやめにする。
またそういうのに限って本に掲載されていないのだ。ザンネン。
いい物を沢山見たので機嫌よく美術館を後にした。

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コメント
やっとアップしたので、TBさせていただきます。
このコレクション展はけっこう楽しくて長いことさまよってました^^
2006/08/03(木) 01:07 | URL | こいちゃ #EVuTtBQQ[ 編集]
おおー、早速読ませていただきます♪
2006/08/03(木) 21:45 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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