FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

世紀末芸術の余波

先日来、世紀末絵画に多く触れている。
世紀末同盟に身を置く者として、当然ながら喜びは大きい。
今回は趣を変えて、近代日本画と近代日本洋画などの作品のうちから、世紀末絵画に触発されたらしき作品をピックアップしてゆきたいと思う。全てわたしの絵葉書その他のコレクションからである。
なお、そのままの大きさの画像もあるがサムネイル画像も多いので、クリックしてください。

img107.jpg

これは谷崎潤一郎の『人魚の嘆き』の表紙絵である。
中公文庫ではこちらと『魔術師』とかカプリングされている。
水島爾保布。すばらしい挿絵にはためいきばかりだ。

20060703231400.jpg

こちらは倉敷美術館にある『サロメ』である。
世紀末絵画に描かれる美女として、わたしはサロメとシャロットの女を偏愛している。

img103.jpg

橋口五葉。漱石『我輩は猫である』鏡花『乗合船』などの装丁を手がけている。この人の作品はみな、たおやかだ。

img104.jpg

鏡花の名が出たところで、岡田三郎助の『草迷宮』。
鏡花の挿絵や装丁は清方や雪岱をすぐに思い起こすが、他の画家の秀作も多い。三郎助らしい愛らしい少女。

img105.jpg

清方の描く「お宮」の水死。オフィーリアからの着想らしい。

img109.jpg

こちらは川崎小虎のオフィーリアである。横長の大きな作品は他にもあるが、いずれも夢幻的で、そしてはかなげな美に満ちている。

img108.jpg

水つながりで中村岳陵の『水神図』 明らかにウォーターハウスの『嫉妬に燃えるキルケー』に触発された作品だが、悪くは思わない。これか荒木寛方のスフィンクスのような『海神図』を選ぶか少し迷った。

img106.jpg

青木繁から明治浪漫主義が始まった、と言われる。
わたしは青木の作品を偏愛している。ただしそれは物語性豊かな作品に限られてしまうのだが―――

img111.jpg

藤島武二の女たちを眺める歓びは深い。
支那服の女たちの横顔を描いた作品はルネサンス絵画に触発されたものらしいが、こちらの世紀末的美人画にはため息をつくのみだ。

img110.jpg

中村不折の孔雀。重厚な油絵の画家とは違う面が見えたようだ。
明治の頃、絵葉書が大流行し、それで作ったようだ。昔のコトバは、今となっては美しい絵柄の一つにしか、見えない。
img112.jpg

清方の『妖魚』 当時色々と批判があったようだが、実はわたしにとって最初の清方体験はこの絵と『刺青の女』だったのである。てっきり退廃的で耽美的な画家と思えば、清艶な画風だったのに驚いたものだ。
子供の頃から、こうした作品に深い関心があったのだ。

img113.jpg

岩田専太郎も大正から昭和初期はアールヌーヴォー風の作品を多く描いていた。『鳴門秘帖』やこの『真珠郎』などがその代表だと思う。
妖艶優美な時代の作品がとても好きだ。

img114.jpg

タイトルは『薔薇咲く庭』 ところが誰の絵かわからない。挿絵画家の手によるものだと思うが、どうしてもわからない。蝶や薔薇の描き方がとてもきれいだ。知る方があればどうか教えてください。

2016年になり、ようやくわかった。
名越國三郎 だから「KN」のサインが入るのだ。


最後にこちらは小磯良平が某薬草園の薬草を描いたものを展示する。
ポタニカル・アートなのか記録図なのかは判断の分かれるところだが、これはこれで見応えがあり、面白い。

img115.jpg

牡丹。

img116.jpg

オタネニンジン。

img117.jpg

ムラサキ。

他にも雪岱や華宵や虹児も挙げたいところだが、今回はこれで終わる。
関連記事はこちら
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-472.html
関連記事
スポンサーサイト



最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア