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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

プラド美術館展

会社を夏休みして天王寺へ出かける。
その予定、相変わらずメチャクチャ。
プラド美術館展―中華料理・龍圃―カラオケ1時間―パイレーツ・オブ・カリビアン2
どこかに共通点があるなら知りたいくらい支離滅裂だ。

友人と待ち合わせて大阪駅前第2ビルを徘徊し、プラドも海賊もチケットを安く入手する。
機嫌よく大阪市立美術館へ向かうが、気の毒に展覧会スタッフはこの炎天下でタチンボしている。
スペイン暑いからなー、とわけのわからん感想を持ちながら会場へ。

マコトに残念ながら大阪には来ずスペインに帰省した作品が割りと多かったりする。
東京でがんばったあと、お疲れーとばかりにサヨナラしたようだ。
マハとかボッシュの悦楽の園とか。おいおい挨拶なしかね。
しかしそれでも他の名品がまだまだある。
一点ずつ書くのはやめて、今回自分の興味を引いたものだけ書くことにした。

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ムリーリョ 『貝殻の子供たち』 大阪ではこれがチラシのメインである。可愛い。
賢そうな目つきで、貝殻の水をあげる方が幼児イエス・飲ませてもらう方が幼児ヨハネ。
ネットやチラシやポスターで何度も見てきたのだが、実物に向かった途端、言葉が浮かんだ。
「お前は首をうたれ、わたしは磔刑にかかる」
チラシなどの二次生産物からは聞こえなかった言葉。
結局、こうした言葉が(幻聴であったとしても)聞きたくて美術館に来るのかもしれない。

そのヨハネと縁のある『サロメ』もいた。
ティツィアーノのサロメは薄物ではなく、重厚なドレスを身にまとっている。
振り向くうなじがきれいだと思った。
そして盤上の首は、ただただ黒い。

バッサーノの『ノアの箱舟に乗り込む動物たち』 ・・・この主題の作品はこれまで何枚も見ているのだが、今回それまでにない感慨と言うか疑念と言うか、うう-むな感想が湧いた。
「・・・もしかして種の保存やなくて、ノア一家の食料品?」
猫も象も食べるのはちょっとしんどいけどね?

例によってろくでもない感想を抱いたのは、カルドゥーチョの『ヨアキムとアンナのいる聖家族』 聖母子とその祖父母が嬉しそうにしている。そして右端の暗い陰にムエンな<父>がいる。
こういう構図を見るたび、武田泰淳の『わが子キリスト』を思い出すのだよな。

ムリーリョ『聖パウロの改宗』 ちゃんと隅っこにパウロのマークというか、寿老人の鹿と同じに、鷲がいます。
十二使徒の出自と後身がイマイチ把握出来ていないので、もっと勉強しなくては。
それにしても画面は暗い。重厚さがこの暗い画面でないと成り立たたぬと言うのなら、わたしはニガテだな。
鷲のマークの大正胃腸薬、鷲のマークの第三帝国、鷲のマークの聖パウロ。・・・塩の柱になるかも、わたし。

そして別な使徒がご登場。
ストメル『聖トマスの懐疑』 えーと・・・すごいね、イヤなんというか。つまり復活したキリストの脇腹の刺し傷に指突っ込んでるの。それにはキリストもびっくりで、「ウッソー」なポーズをしている。周囲に老人二人がいるのに、止めんかいな。
関係ないが京都の聖トマス学院はとても素敵な建物だ。
聖トマス、ある意味ユダよりすごくないですか。

ルーベンス『ヒッポダメイアの略奪』 めちゃくちゃです。こんな横暴が許されてよいはずがない。
それでみんな怒り狂って取り戻そうとする。
その躍動感、ナマナマしい表情、喧騒。
ルーベンス(とその工房)は劇的な情景を描くのが本当にいい。花婿らしき青年や父兄たちの憤りと興奮とがよく伝わる。
『フランダースの犬』でネロ少年は教会のルーベンスの名画を見て歓喜に包まれながら餓死する。
ネロは一体どんな絵を見たのだろうか。
少なくともこうした神話系ではないと思う。

リベーラ『アッシジの聖フランチェスコの幻視』 聖フランチェスコは第二のキリストだけに聖痕示現がある。
考えればジョットのそればかり思い浮かぶが、当然ながら他の画家も聖フランチェスコを描いているのだ。

エル・グレコ『寓話』 ベルギーのJアンソールを思い出した。
わたしはあまりこうした作品を好まない。
しかし東洋の絵画ではサルに対して悪意がないのに、なぜ西洋の絵ではサルは悪意に満ちているのだろう。

ベラスケスの王女マルガリータが大きくなったのか、マルティネスのマルガリータは同じ顔をしている。
画家の趣味ではなく、彼女の個性だったのか。なんとなく顔とかは似ていないが、『麗子』のことを思い出した。

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ゴヤの『トビアスと天使ラファエル』 トビアスはちゃんとサカナを手にしている。旅立ちですね。可愛い少年と綺麗なお兄さんとの♪
イケナイおじさんやアブナイおねいさんの喜ぶ画題だなぁ。

ティツィアーノ『くつろぐヴィーナス』 これは東京でのチラシ。
オルガン奏者の視線は膝頭にいっている。なぜだ。ずぃっとみおろしてきて、ここまで来たのか、それとも膝フェチなのか。
窓の向うには孔雀や鹿がいる。こうした庭園に憧れる。スパニッシュな建物を関西人はたいへん好んでいる。だから関西にはスパニッシュの建物が多い。

ジョルダーノ『サムソンとライオン』 子供の頃TVでセシル・B・デミルの『サムソンとデリラ』を見た。かなり好きな作品。
レンブラントのサムソンも見た。このジョルダーノのサムソンはまだまだ元気なサムソンだった。

レーニの『クレオパトラ』はもう緑色になっている。
ルーブルで2Mくらいのキリストの遺骸の絵を見たとき、全身緑色なので怖かったことを思い出した。
大和絵では死体は土色、こちらでは緑色なのだった。

スペインの静物画はボデゴンというそうだが、ここにひとつ面白いものがあった。
スイカである。メレンデスの描いたスイカ。
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まるでスイカ割で叩き割ったような。タネ、大きめ。
それで実はこのスイカ、エハガキになっているが、何か張り紙がしてある。
「暑中見舞いにどーぞ!!」
・・・大阪もスペインも暑いのよ・・・

機嫌よく見て廻り、大阪に来なかった分の絵葉書を買うて、会場を後にした。
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