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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

オバケ屋敷などなど

朝昼と高校野球見てから出かける。
池田の逸翁美術館に行き、夕方からは友人とエキスポランドのオバケ屋敷に行くのだ。
逸翁美術館と大丸で見た写真展の内容はまた後日にして、お盆らしく怪談系で行くか。

本日一緒に遊ぶ友人は二つ上で、熱狂的な猛虎党である。
ピアノ教師として連日大阪府下を縦走している。
コワいもの知らずというか、自分の技術で生きているので、他を怖がることがない。
だからか、恐怖度を確かめる洋風お化け屋敷に入っても、「お前は本当に人間か??」と答が出てくるくらいだ。わたしは「なかなか度胸があるな」だった。
エキスポランドにはオバケ屋敷が洋風・和風と二つあるほか、夏期間限定の『人が演じるオバケ屋敷』がこの十年ほど続いている。
わたしの夏は東京でアートコレクションを・大阪でオバケ屋敷を楽しむ、というお約束がある。

今年の題目は『獄門島』である。
言わずと知れた横溝正史の傑作。去年は犬神家の一族、おとどしは八つ墓村だ。
それ以前は四谷怪談、皿屋敷、牡丹燈篭などのほかオリジナルの時代劇怪談だった。
これがメチャクチャ面白いのだ。
なんせ第一回目は深作欣二監督が演出して、東映の役者さんたちが出演されたのだ。
いや、実に凄かったなー。人形かと思えば人間ですもの。(あとの台詞だけなら相田みつ▲だな)それ以来エキスポ夏の風物詩として定着している。
来年はあれかな、悪魔の手毬歌かなとか、勝手な予測立てたり。

犬神家の一族も八つ墓村も獄門島も手毬歌も、みんなコロし方に情趣がある。
だからこそこれらがオバケ屋敷の仕掛けなどに相応しいのだろう。
わたしも他の友人たちも『悪魔が来たりて笛を吹く』が横溝正史畢生の名作だと信じているが、あれはコロし方が普通なので、怪談には向いていなさそうだ。
やっぱり趣向が必要よ。
斧琴菊や俳句の見立てや手毬歌や、なによりかにより一言叫ぶ、
「たたりじゃーーーーーっ」
これよこれ。いっひっひっ

しかしこれを愉しむにはちょっと薄暗いほうが都合がよいので先に和風オバケ屋敷へ行く。
わたしは人間の出るオバケ屋敷より和風人形のそれの方がずっとコワい。
ポクポク木魚に井戸から女が這い出たり、碁打ちの二人の首がずれて落ちたり、猫の巨大な影がこちらを向いたり。たのしいな??
でも気の毒にこの写真のように、オバケ屋敷の需要がへって人形も工房で待機している。
img991.jpg


わたしは夏が大好きで、暑いけど元気なのは、実はこの辺りに理由があるような気がする。
セピア色の夕暮れ時・木陰の涼しさ・薄暗い黄昏の微かな恐怖・スイカ・蝉の声・花火・・・・・
夏の好きなものばかりを書いたが、案外和風なものばかりだな。
普段は洋風の生活を好むけど、夏だけはやっぱり日本だぜ。
そしてやっぱりオバケ屋敷だ!

これまで色々見たいと念願してきたものがある。
オバケ屋敷・絵解き・のぞきからくり・見世物小屋。
オバケ屋敷は毎年見れるのでこれはまぁ常に満足。
絵解きは数年前、信州善光寺のそばの刈萱堂で実演していただいた。嬉しかったなぁ

のぞくからくりも数年前、四天王寺で実演を見たが、そのとき四天王寺の特殊な様式の伽藍を背景に、巨大な黄金の月を見た。ゾクゾク粟立つほど、凄い光景だった。
あと佐倉の歴博に実物があり、ボタンを押すと動いてくれるのが嬉しい。
見世物小屋もTVでドキュメントを見た直後に、その一座が桜ノ宮の造幣局の通り抜けに小屋掛けしていたので、楽しく眺めた。

他にもあれだ、造りものをいっぱい見た。
これらは主に展覧会で、だが。
INAX、たばこと塩の博物館、大丸での展覧会。
菊人形・陶器人形・生人形などなど。

これは国芳の描いた細工見世物のチラシ。
img994.jpg


こっちは瀬戸物の人形。
img204-1.jpg

しかし生人形は、わざわざ熊本まで出向いたが、今その第二弾の展覧会に行くか行かぬかで、大いに悩んでいる。
img993.jpg

img992.jpg


前回のと今回のチラシ。熊本に行き、今度は謎の麺も食べたいし。

ところでオバケや幽霊の絵のweb展覧会しようかと思ったが、案外資料がなかった。残念。
ていうか、持っているがあまりクリアーな状況ではないのだった。
そうそう、月末には大阪・平野にある融通念仏宗の本山・大念仏寺で年に一度の幽霊画の公開がある。大体毎年見物に出かけているが、今年はちょっと都合がつかない。
平野区は町の人々自ら「町ぐるみ博物館」としておうちに伝わるお宝や古い町家を公開したりして、楽しませてくれはるのだ。
町中の全興寺が中心になって、地獄や極楽や昔の駄菓子屋さんを再現したりしている。
水もポンプでゴックンゴックンくみ上げたりするし、紙芝居屋さんも出たりする。
大和川にドンブリ放り込まれた下女の亡魂の話の続きが知りたいけど、どうなったんやろ・・・
そうそう週末には谷中の全生庵の幽霊画を見に行くぞ。

ああ、楽しい。

とりあえず『獄門島』のはなし。
これは其角「鶯の 身をさかさまに 初音かな」
芭蕉「無惨やな 冑の下の きりぎりす」
同じく「一ツ家に 遊女も寝たり 萩と月」
三つの俳句を三姉妹のコロし方にと遺言された人々の話で、金田一耕助はそれを阻止しに獄門島に向かうのだが・・・・・・。

私も友人も子どもの頃、横溝正史シリーズに熱狂していたクチなので、細部にも詳しいから嬉しくて仕方ない。
4?5人ずつ分けてウォークスルー型の会場へ送り込まれる。
私らのグループは知らないお兄ちゃんたち三人組と一緒。やたら背が高いなー。
しかし彼らは原典を知らぬので、ただのオバケ屋敷と思っているから、こわがるポイントが違うのだな。
にいちゃん、じゃま。
ついに私と友人とが先頭に立った。本当は背後に知らんにーちゃんらがいる方がよっぽどコワイのだが、「お前は人間か??」と「なかなか度胸があるな」がふてぶてしく歩くわけよ。

友人は既にニュースで役者さんらのメーキャップとか見ているから余裕で<驚き>、私は頭の中で原作を再現中なので「来るぞ♪来るぞ♪」で<驚く>わけです。
出たときには満足しましたがな。でもにーちゃんたち、叫びすぎて声枯れてやんの。
今年もなかなかのデキでしたなー。

しかし実は一番コワいのは、オバケ屋敷より何より、この友人なのだ。
何を見ても動じもしない彼女が、ジェットコースターは元より回転木馬まで「怖くて乗れない」
事実なのだった。だから乗り物優先の遊園地に来ても、わたしは可哀想に乗り物に乗れなかったのだよ、トホホ・・・。
ジェットコースター好きなタイプと、オバケ系好きなタイプとは共存しないのだろうか。
わたしの友人は二分している。
私は両方た・の・し・み・た??い!!!

シメは花火だった。きれいな打ち上げ花火。間近に見れてとても嬉しい。
又来年もエキスポのオバケ屋敷を楽しもう。

そうだ、わたしが怖かったオバケ屋敷のことをあげておこう。
今はなき宝塚ファミリーランドでは、水木しげるのシリーズが続いていた。
子供の頃から地元民のわたしは何かと言えばファミリーランドで遊んだが、学校行ってる頃に友人とゲゲゲのお化け屋敷に入った。
これも人が演じるオバケだからコワくないよと友人に(勇気付けるつもりで)言ったのがオバケのカンに触ったか、ナマハゲに追いかけられて迷路の中を走り回ったことがある。
でもとうとう捕まった。泣いちゃったなー。
オバケより生きてる人間の方がよっぽどコワいわい。
それから・・・
数年前『ブレアウィッチ・プロジェクト』というコワいコワい映画があったことを覚えている人はいるだろうか。
私は友人と初日の朝一番に見て、あまりの恐怖に劇場から解放されたとき、吐いてしまったことがある。
それでよせばいいのに、東北の友人が来たときもう一人と歓待しようと、その映画を元にしたオバケ屋敷に行ったのだ。(行くなよな・・・)
これも恐怖度数検査のおもちゃのローソクを持たされてのウォークスルーなのだが、先頭の東北人の前にいきなり怪人が出た。
途端、友人は足を踏み出したポーズのまま、後に2mも飛んだのだ!
にんげん、あんなに後に飛べるとは知らなかった。
いや実際凄かった。マジでびっくりだ。

それからこれは展覧会だ。
板橋区美術館のあの世とこの世の展覧会。地獄ツアーは案外楽しそうなのだが、極楽は退屈だ。
『海神別荘』の台詞ではないが。
しかしこの展覧会では、暖簾で地獄と極楽が分けられていて、何の気なしに極楽行く前の段階、つまりご臨終の間に入った途端、カタマッてしまった。
歴博から借り出してきたマネキンたちがある。
黒いマネキンたちに顔はなく、手に五色の糸を持ち阿弥陀像に繋ぐ往生を願うものと、その様子を見守る人々と。
・・・こんなコワい展示、見たことがなかった。
img202-1.jpg

これはそのときに出た暁斎の妖怪引き幕です。新聞の画像から。

とりあえずオバケ屋敷などからの追想と感慨は終わり。
明日はわたしの体験した怪談を特集します。
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コメント
幽霊の季節~~
遊行さま、嗚呼暑いですねぇ~お変わりなく、お元気にお過ごしの様子、なによりです。

谷中まで、幽霊行脚とは、なんとパワフルな。

プライスさんの幽霊もかっこよかったけれど、歌舞伎にも寒い幽霊が沢山ですよね。

ちょうど、「江戸怪奇草子」の累を読んでいるところです。
昔は、なんか、エキセントリックを地でいってましたね。
ドキドキが方々に転がっていたような気がしています。
いよいよ15日に奈良突入いたします。飛んで火にいる夏の虫を、体験してきます。

そうそう、7月の歌舞伎、海神別荘の海老蔵は、まだまだ声が若いのぅ、と鏡花のせりふの陶酔には遠い気がしました。
魔界にまだ行ってないなぁ、という意味です。また、
幽霊のお話、楽しみにいたします。
2006/08/13(日) 15:55 | URL | あべまつ #-[ 編集]
生人形は、東博で見ました。
ああいう人形を見ていると本当にどこかの誰かの魂が宿りそうで怖いのです。

ブレアウィッチ・プロジェクトは、あまりに画面がゆらゆらしたので、
そちらの方で酔って気分悪くなりました。

幽霊もものともしない、遊行さん、いいですねぇ~
2006/08/13(日) 19:43 | URL | 一村雨 #-[ 編集]
★あべまつさん こんばんは
累の話は小学校のとき『オバケを探検する』という本で読んで知りました。その本は今もわたしの座右の書。民俗学的な視点からの本で、とても面白いのです。(今はヤフオクで高値ついててビックリです)
目黒の祐天寺がその累を鎮めた上人を祀るお寺なのですよ。
で、その寺の境内には先代萩の政岡像がある。六世梅幸さんモデル。
歌舞伎の累は原典と多少違いますが、さすがに大南北だけにインモラルさは拡大されてましたね。

奈良では丁度『燈花会』という灯りを点すイベントもありますよ。http://www.toukae.jp/
きれいです。

☆一村雨さん こんばんは
最後の画像の暁斎の引き幕のことを以前に書かれてましたよね。それを思い出したのでモノクロだけどupしました。
東博の生人形はシーボルトかモースのコレクションでしたっけ、なんしかドイツとオランダ・ライデン博物館は日本の生人形が大好きなのですよ。

ブレア・・・の画像の揺れは気持ちわるかったですねー。私がえずいたのもそれかな。

ああ、それにしても夏は暑いけど、いいですねー。
2006/08/13(日) 22:27 | URL | 遊行 #-[ 編集]
遊行さま、とってもタイムリーなイベント情報、感謝です。
男子4人と、おばさん4人で、春日さんの万灯籠にいくつもりでしたから、揺れる光に魅了されてきますね。といっても、台風10号が・・・・心配です。
乱れ髪で、生幽霊してきそうです・・・おどろどろしくって楽しそう??
2006/08/13(日) 22:48 | URL | あべまつ #-[ 編集]
横溝の話ですが、確かに「悪魔が来たりて笛をふく」は横溝の名かでも屈指の名作ですね。「仮面舞踏会」もいいんですが、休筆後、明らかに勢いがおちてますからね。
原作読んだのだいぶ前なので、また読み返したいと思っています。
2006/09/18(月) 15:51 | URL | イエローストーン #-[ 編集]
イエローストーンさん こんにちは
『悪魔が来たりて・・・』はわたしの横溝ベスト1です。
何回読んでも飽きませんし、読むたび満足します。
『仮面舞踏会』は色盲のことを勉強させてもらいました。
横溝の作品の中から学んだことが割りと多いです。
あー 書いてると、また読みたくなりました。
2006/09/18(月) 16:26 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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