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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

高砂淳二写真展

大丸心斎橋で開催中の高砂淳二写真展を見に行った。
チラシは夜の虹である。
裏にはこんな案内文がある。


海の中の生物から風景まで地球全体をフィールドに、自然とのつながりや人とのかかわり合いをテーマに活動する写真家、高砂淳二。

近年は先住ハワイアンの自然観にも惹かれ、先住民の知恵を伝承する人との出会いから、月の光に照らされて出る「夜の虹 night rainbow」にめぐり会いました。「ナイトレインボー」とは、満月の夜に大空に架かる虹のこと。めったに現れることがなく、ハワイではこの世でもっともすばらしい祝福だといわれています。自然の力を知り、自然に恐れを抱きながら体と心で向き合うと、その奥深さが改めて感じられるといいます。

この展覧会では、神秘的な夜の虹を中心に、満天の星空、海の中の生き物たち、夜の浜辺、海の中の青の世界を120余点の写真でご紹介いたします。海の青さ、ショッキングピンクのサンゴ、海中を漂う極彩色のウミウシをアップでとらえた写真はどれも美しく、すべての生き物や自然に精霊が宿っていることを感じさせます。真夏の暑い日に、地球でもっとも美しい光景の中で幸福感に浸ってください。


なるほどと言う感じ。
『夜の虹』と言えば長岡良子の作品で行基が見ていたな とか、NHKの某アナがぺーぺーの頃天気予報を読み上げるとき「夜から ニ」とあるので「夜から虹が出るでしょう」とやって、上司に「虹が出るのを予報したのは天地開闢以来お前が最初だ、しかも夜の虹か」と言われた話などを、思い出す。(正解はにわか雨)
あるんかな、夜の虹。

そんなことを思いながら出かけた。
実はこの数日間書いていた本町うろうろの終点がこの大丸なのである。
この前日に大丸とそごうの共同宣伝が新聞見開きいっぱいにあり、結構なことだと思っていたのだ。
そごうでは危機に瀕した世界遺産の写真展が開催中で、それは後日行くことにしている。

カメラマンの高砂淳二さんは44歳らしい。ダイビングワールドと言う雑誌の専属だったと言うから、当然ながら海の生物の写真だろうくらいの考えで向かった。

いきなり『夜の虹』。
うぉっという感じ。ハワイ、夜に虹が見えるんだ。
かなりショック。そうなのか。
私はリゾートに無関心なのでハワイにも興味がないのだが、この高砂さんの写真を見て「ハワイに行きたい!」と思った。
ハワイの海・ハワイの火山・ハワイの森へ。
私は人のいない・行かないハワイに行きたい。

img208.jpg


火山を見てどきどきした。キラウェア火山。
私は火山の流れを見るとすぐにSWE3を思う。
いまや修復不可能なほど心の離れた二人、オビワンとアナキン。
アナキンの身体が溶岩に飲み込まれてゆく。
そのことを思い出す。

でもとてもきれいだ。大地の心臓の動きを見ている気がする。赤いのは動脈、うごめく左心房、息づく右心室。どきどきする。火山流はどこへ行くのだろう。
この写真の中に切り取られた空間。ここからどんどん広がっているはずなのだ。
すごいな、どうしてこんなに世界を四角く切り取れたのだろう。

それからハワイの森。ああ、羊歯がいっぱい。わたしの大好きな植物。高い空。星が星だとわからないほど天空いっぱいに散らばっている。
散らばる?もっと密集。ギュイギュイの☆。いや☆は距離があるから☆なのだ。これは・・・・・・・・の集合。二段三段四段、違う散弾星。すごい眺め。
あるコミックの中で、色々つらいことがあってもハワイの人たちはこの火山を見て、星の下で明るく生きているんだ という感嘆があって、ふーん、と思っていたがなんだか実感。
私のナマの目で観るより、もしかして高砂さんのチカラの方が上かもしれない風景。
すごい。
ハワイを愛してしまいそうだ。

ドキドキする。すごい青。青と一言で書いたけれど、色んな青がある。陽光の影響を受ける青、その影を含んだ青、白砂に照らされる青、植物に染まる青。
いるかがいる。
こっち向いてるみたい。立ち泳ぎのいるか。笑ってるみたいな顔。
そういやこないだ新聞で読んだが、どこかの水族館にいるそのいるかはどんくさい子で、芸が覚えられない。でもがんばっています。そんな記事を読んだが、いるかにも色んなのがいるんやなーと初めて知った。
この写真のいるかはダイバーやカメラマンの前でにこにこしている。ポーズ取ってるのかもしれない。

それからいるかがエイに遭う。いるか meet エイ。深海の出会い。
いるかの連泳。競泳ではないよ。
いるかダンサーズもいる。

海亀も案外アクティブという写真があった。
これは私もなんだか知っている。何度目かの海遊館で、その日みんな変だった。
ジンベイザメが立ち泳ぎして、海亀がジェット噴射してるようにバシバシ走波し、真面目なイワシたちがダラケてマチマチの方向を向いていた。
そのときを思い出す。

ハギたちが海亀にまといついてお掃除身づくろいしているのが楽しい。
それにしてもすごい写真。
雨雲から滝に、滝から川に、川から海にゆく水の循環。日本画なら大観の『生々流転』だな。その自然の動きが見えるような写真。

何を見てもどれを見てもそこには命がある。

img209.jpg


ハワイからカリブへ。
カリブの海生物。(クラーケンはいないよ)
アジサシの影が面白い。
モデルのような足。ポーズ取ってるわね。
可愛い仲良しさんもいる。並んでこっち向いてる。
本当にいい写真展だった。
img995.jpg


なんだかわたしに新しい地平 いや、水平線が開いたような気がする。

高砂さんのサイトはこちら。
画像も大変きれいだった。どきどきの自然。
http://www.adseeds.co.jp/takasago/collection/index.html
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コメント
又お邪魔します。
「週刊朝日」のグラビアにこの人の写真と展覧会情報が載っていました。
現地の人は「夜の虹」を見ると幸せになれると信じているとかー。
ぜひ観たいのですが東京に来るのでしょうか。
2006/08/14(月) 22:52 | URL | oki #-[ 編集]
「夜の虹」
「夜の虹」と聞いてまず連想するのはやっぱり長岡作品です。
あの作品は不比等の初登場の作品でしたが、後の作品と比べると彼の非情な面が際立った作品だったと思います。
「眉月の誓」になるとよき父親としての面も見せるようになって、彼がただの冷酷非情な人間ではないことが感じられるようになっていると思います。
本題から離れてしまいましたが、
私の持っている本「色の名前」にも「夜の虹」の写真が掲載されています。
撮影地は不明なのですが、風景から推測すると日本のようです。
月光による虹だそうで、私はこれを見たとき、やはり長岡作品を連想してしまいました。
2006/08/14(月) 23:21 | URL | 千露 #rId1tC1Q[ 編集]
★okiさん こんばんは
丁度18~30まで渋谷PALCO地下のギャラリーでこれとは違うけれど展覧会があるようですよ。
大丸の巡回・・・どうかなぁ。なさそうです。しかし石川賢二の月光浴の写真展があるので、そちらにも関心があります。
これは夜遅くまであるのでお疲れでなかったらロゴスはいかがでしょうか。今大丸調べたらなかったです。

☆千露さん こんばんは
やっぱり長岡さんいいですよね。夜や月と言う言葉が古代幻想ロマンシリーズのコンセプトでしたね。
月光で虹を見ることが出来るなんて、この展覧会まで知りませんでした。どういった気象条件下のもとでなら、日本でもこんな現象が見れるのでしょうね。
2006/08/15(火) 00:07 | URL | 遊行 #-[ 編集]
写真
遊行七恵さん、こんばんは。
写真展といえば報道写真展を暮れに見るくらいしか興味がなかったのですが、高砂さんのサイト拝見しました。
「夜の虹」も凄いけれど、七恵さんのアップされていた、アジサシの影の写真も良いですね。
チョット写真にも惹かれそうですよ。
2006/08/15(火) 00:41 | URL | sekisindho #-[ 編集]
sekisindhoさん こんにちは
写真は絵画とは又違う魅力があります。
カメラマンの目と我々鑑賞者の目との差異がまた面白かったりします。
そのまま写しているのか・カメラマンの目と手を通したものを見るのか。
意識の隙間をかいくぐる楽しみがあって、大好きです。
2006/08/15(火) 10:17 | URL | 遊行 #-[ 編集]
私は怖い話は苦手なので、このページも恐る恐る読み始めました。そしてほっとしました。

少なくとも、この写真展に見せられた遊行さんの感性にはまだ充分ついていけそうな気がします。

美しいハワイの写真を見せて頂きながら、想いが一緒なのが嬉しくなりました。

ところで今日、長岡良子の古代幻想シリーズを手に入れることになっているのですが。。。怖いの???
2006/08/15(火) 11:47 | URL | red_pepper #-[ 編集]
red_pepper さん こんにちは
まぁ私はオバケ大好き女ですけど、綺麗なのもまだまだ大好きですよ♪
大丸心斎橋なので、よかったら行ってください。イルカ可愛くて仕方ないです~

長岡さんの作品に怖いのはないですねぇ。怖いのは人の心の変容・あり様だという意味での怖さなら、随所にあります。
しかし本当に良い作品ばかりです。特に不比等のシリーズが最高です。
2006/08/15(火) 12:38 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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