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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

GOLD 金色の織り成す異空間

大倉集古館で『GOLD 金色の織り成す異空間』展が開催されている。
これは毎夏恒例のアートコレクション展と連携して、近所の泉屋分館とここと三つの展覧会を楽しめるようにしてくれている。
ありがたいことである。
ぐるっとパスはあれども、わたしは共通券で入館した。

この展覧会では大まかに言うと仏画・金屏風・蒔絵の三種類がメインとなっている。
所蔵品からの展示なのだが、びっくりした。
何にか。
平家納経(法華経)の模本がここにあることに驚いたのである。

模本は田中親美が拵えたものだが、たいへんきれいである。
田中は大正八年の佐竹家が売りたてた三十六歌仙の模写も行ったひとだが、百年生きていたようだ。

国宝の提婆達多品と重文の観世音菩薩普門品。
こちらは厳島神社蔵の本物。
関係ないがダイバダッタはシャカの従兄弟で悪人なのだが、わたしはどうしてもレインボーマンを思い出してしまうのだ。
クリックで巨大化。
なかなか可愛く面白い絵である。
img251.jpg

img252.jpg


チラシにも上がる扇面散らしにもふんだんに金箔が使われ、金粉にまみれている。
やっぱりジパングなのか。

平家物語の名シーンを散らした屏風もある。
ところがこれらのシーン、どれがどのシーンなのかちょっと把握できなかった。明らかな情景を描くのが多い中、ビミョーなのだ。
わたしのアタマの中で「・・・泣く泣く首をぞかいてんげる」とか「・・・むんずとばかりに取りたれければ」とか浮かんでくるのだが、それがこれに当たるかどうか。
平家物語すきなわたしとしてはなんだか口惜しいゾ。

こちらの女人も平家納経から。img253-1.jpg


厳島そのものでもあるらしい。
田中の模本は出来立ての頃を見せてくれるのだった。

日本一黄金好きなのは秀吉で、黄金の茶室などを作ったりしてイケズな利休に「・・・(けっ)」なんて思われてるな、と感じたために利休を死なせたが、あそこまでゆかずとも、やはり黄金はいい。

蒔絵の美は海外にまで流出していった。
ここにあるのは『長正殿蒔絵手箱』ph08.jpg

いま自分の手元にあるなら使えるかどうか。

『古経貼交屏風』が面白かった。屏風の一面ずつに数巻ずつの古経を貼りつけているが、大方はセピア色に褪色している中、最後の方の一巻だけ紺地に金泥の文字だから、色も金もくっきり残っていた。なるほど強いものだと思った。

伝 源俊頼筆 国宝『古今和歌集序』
これが字はまあ綺麗なのだが、それより紙に心がゆくのよ。
王朝時代、紙そのものの美を追求する姿勢。の綺麗な紙を繋ぎ合わせている。数えたら32枚つなぎだった。

なかなか面白い展覧会だが、華やかというよりシブい展覧会だと思う。秀吉好みではない方の、GOLDなわけでした。


img250.jpg

http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/shukokan/gold.html
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コメント
豪華絢爛というよりも、枯れた「金」の味わいという感じの
展覧会でした。
鹿苑寺金閣のようなキンキラキンを期待していったので
少々がっかりしました。
古今和歌集の文字、うっとりですが、読めないのが悔しいです。
真下に現代語読みを置いてくれればよかったのにと思いました。
2006/08/29(火) 07:09 | URL | 一村雨 #-[ 編集]
お世話になっております 所感はまさしく人それぞれ
きんきらきん(失礼)だと一寸なあと考えていた当方には 拾い物でした

古今和歌集序 仰せの台紙の紙の色と 紋様ですかな
大意だけでいいから 現代語訳は欲しかったけれど
蒔絵もいくつか ようございましたが 当方にとってのご馳走は 源氏の香遊び道具一式でしたかな なんか たのしく いとしいというか 

家族に話しまして 本体の「コレクション」チケットを渡し 集古館だけでも観てきたらと伝えたのですが 「コレクション」はしっかりと 集古館は1階だけ観て帰ってきたそうな 納経だけ観てもいいけれど 「2階はバルコニーだけじゃないの?」って 悲しすぎるぞ わが身内 それでは
2006/08/29(火) 18:20 | URL | TADDY K. #1xXJNkSU[ 編集]
☆一村雨さん こんばんは
キンキラキンといぶし銀との美意識が共に日本人に併設されているのが不思議なところですね。
飛鳥時代から既にそうでした。
天智朝では賑やか・派手・享楽が幅を利かせましたが、天武朝ではその逆だったそうです。反動と言うのではなくこれは両者を好む意識が底にあるからでは、とも思います。
チラシはキンキラキンでしたからその意味では看板に偽りありかもしれませんね。

★TADDY K.さん こんばんは
源氏香は素敵でしたね。わたしは香道にうといので今から学ばねばと思います。lllllとlllLの差などが読み取れないので。
それとごめんなさい、笑ってしまいました。
>悲しすぎるぞ わが身内
上の句が抜けてましたね♪
前の五文字を思案中です。
2006/08/29(火) 22:00 | URL | 遊行 #-[ 編集]
こんばんは。TBとコメントをありがとうございます。
私も一村雨さんと同じように、枯れた味わいの金を楽しみました。
どうも仰られる通り、金と言うと秀吉の茶室をイメージしてしまいます。
俗ですね…。

香道というのを初めて知りました。
何事も奥が深いものです…。

それにしてもアートコレクションの券で3つの展覧会に入れるとはお得ですよね。
これは毎年なのでしょうか。
来年も楽しみです!!
2006/09/20(水) 23:28 | URL | はろるど #GMs.CvUw[ 編集]
はろるどさん こんばんは
いや実際なにもかも古美術と言うのは奥が深いものです。
わたしなんかも本当に不勉強なので反省しきりです。
日本の黄金文化の流れを考えるだけでも面白いかもしれません。

アートコレクションと大倉、泉屋は当分つながってそうですよ。
2006/09/20(水) 23:46 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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