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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

細見美術館リクエスト展'06

細見美術館の夏恒例リクエスト展に出向いた。
この美術館は大江匡の傑作だと思う。
その居心地のよい空間で細見コレクションの名品を味わう。
夏の、愉しみ。

今年の一位は雪佳の『金魚玉図』だった。
どーんと金魚が正面向いている。
私はこれに投票していないなーと思いつつも、描き表装でそれが葦簾張りになっていることに気づいた。
夏らしい一枚だったのだ。img269.jpg

うかつな私。
でもわたし、JAのチョキンギョは大好きなのよ。
img274.jpg


好きなものは遊楽図とかねがね公言しているので、当然そちらをリクエストしていた。
おおすばらしい。
現代のフーゾクはキライだが、こんな時代の遊楽は大好きだ。
(尤も二次元的認識だけだからそう言うのかもしれない)
『男女遊楽図屏風』 女の一人が孔雀柄の着物を着ていることに初めて気づいた。

出た『糸瓜群虫図』 Takさん命名『11匹いる!』図。
デンデンムシも虫なんだよなー。
蝸牛を見るたびにコロボックルのマメイヌを思い出します。

同じ若冲の『鼠婚礼図』の台所で立ち働くネズミーズ、かわいい。
メメがカワイイのよ。くりっとしている。
青物屋さんの若旦那、店先走る鼠の写生したり空想したりで、丁稚小僧からも「エエ加減にしてくんなはれ、若だんさん」と叱られてたりして。それでひとりごちる。
「雪舟かてネズミ描いてたがな」
簡単にスルーされてたかもしれない。

雪佳の『百々世草』からは三面が出ている。
竹に群青朝顔、菊慈童、白砂青松。雪佳の青は本当に綺麗だ。
しかし最後の琳派らしく、人物はまるまっちい。
琳派で美人という絵は殆ど見ないな。

室町時代の『梅花小禽図』 これも好きだ。ころころことり。
ハイジが喜びそうな小鳥。img271.jpg



『やすらい祭り・牛祭り図屏風』 牛祭りの画像はある。
マダラ神の行列。img272.jpg

京都文化博物館で祭りに使う紙の面とか見ているが、これも奇祭のクチですな。
それと『やすらい祭り』。これは山本健吉の評論でなかなか面白いのを読んでいる。笠が素敵だ。
「やすらへ花よ」声が聞こえてきそうな行列。

平安時代の『普賢菩薩像』が艶かしくてきれいだ。白い顔、朱唇。
普賢だから象に乗るが、その象の頭にも三体の仏が。
巨大化してカクニンどーぞimg270-3.jpg

全然関係ないが思い出したことがある。
仏像のシブガキ隊。モックン、ヤックン、フックン。文殊、薬師、普賢・・・・・・ええんかいな。

北斎が二枚ある。
『五美人図』 室内でそれぞれ反物みたり煙管で煙草吸うたり色々くつろぐ。明治になるまでは女も気楽でよかったのだなー。
江戸の楽しさを感じる作品だ。img270-2.jpg


とはいえ『夜鷹』もいる。
このヨタカさんはムシロではなくカラカサもっている。見返り美人。
何を見返るのか。

わたしは源氏絵は土佐派のが一番好きだ。
ここにある『初音』も着物の柄も細かく、雅できれいだ。
人物の大きさは国宝の絵巻が標準とすると、こちらは少し小さく細い。
リカちゃん人形の出始めの頃にアメリカから来たバービーの細い版、あんな感じ。

志野茶碗『弁慶』 銘の意味は簡単だ。茶碗に橋の絵が描かれていて、それを五条の橋に見立てたのだろう。
桃山時代の志野は可愛くて好きだ。

ここまでが大体リクエストに現れた名品たち。
しかし展覧会は実はそれぞれコンセプトタイトルをつけていた。
・神仏の世界
・琳派
・若冲と近代絵画
・遊楽さまざま
・かざりと雅
それらのうちから私が好むものをピックアップしよう。

赤い愛染明王図がある。大体赤いのが多いな。衣の柄は花柄。ちょっとキャミソールみたいな感じ。
色彩がよく残ることに感心した。

『金銅種子五鈷鈴』 ・・・どう見てもクリスマスベル。しかしこれは房にいる坊さんたちを起こすための鈴かもしれない。
クリスマスの日にこの鈴でコロンコロンと鳴らすと楽しいような気が・・・・・・。

『金銅透彫尾長鳥唐草文華鬘』 向き合う尾長鳥がかわいい。このミニチュアで風鈴が欲しいな。鈴じゃないか、鳴らないね。

『色絵唐子図筆筒』 乾山の唐子を見たのは実は初めてだ。
赤絵で唐草を背景に西遊記の紅孩児みたいな唐子が立っている。
火とか吹きそう。img273.jpg



先日来、大倉で『虫太平記』を見ているが、今度は『きりぎりす絵巻』か。
こちらはきりぎりすの玉虫の君のお輿入れ風景。蝉の右衛門守と。りーんりーん と声がするような絵巻だった。

『江戸名所遊楽図屏風』 出光にあるのがいちばん有名だろうが、こちらの屏風もなかなかよろしい。
門前で焼餅を売る女。(子供の頃、競馬場で焼餅を食べさせてもらったなー)
ジャグリングする放下師、茶屋では碁を打ったり双六したり。かむろや稚児もいて芝居もにぎやかだ。京の都のような風俗があることを考えれば、まだまだ江戸初期の頃かな。
浅草か。それに向うには梅若の悲話・木母寺がある。今ウメワカと打ったら埋め若と出たが、実際梅若は埋められて、その塚を訪ね当てた斑女の方の悲しい物語を思い出す。

『時代不同歌合戦絵巻断簡』 これは出光でも白描のを見ている。言えばリーグ・オブ・レジェンドですかな。ドリームチームの対戦です。
赤染衛門vs殷冨門院大輔。

『羅什三蔵伝絵巻』 荒海に難渋した為、経巻を海へ投げ入れ(捧げる)、海を鎮めようとする図。陸には女神がいる。仏とおんぶしあう姿もある。

『硯破草紙絵巻』 すずりわり。1495年の作。この物語は赤羽末吉さんの絵本『春のわかれ』の原典でもある。
かなしい物語。イントレランス、不寛容と後悔の物語。
硯だけでなくけなげに床しい少年の命も消えてしまったのだ。

根来塗りが二点出ていた。
黒根来に朱の蝶が描かれているのが気に入った。
仏具に使われたのだろうか。

『蘆屋霰地楓鹿図真形釜』 これは蓋を細見古香庵と釜師とで新しく拵えたのだが、鹿がいるので春日野、山は三蓋山ということで、蓋の取っ手を鳥居型にしたのが面白い。
こんなの他に見たことがない。
かなり面白いと思った。img270-1.jpg

拡大すると鹿がよくわかる・・・

機嫌よく見て廻った。どうも遊ばせてもらってありがとう。
また来年にはどんな名品がランクインするかなぁ。
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コメント
遊行七恵さん、こんばんは。
これは楽しい展示会ですね。
>モックン、ヤックン、フックン。文殊、薬師、普賢
これは遊行さんのオリジナルですか。
感心するほど巧くてセンスのいいできですね。
2006/08/31(木) 23:15 | URL | sekisindho #-[ 編集]
こんばんは!
コメント&TBありがとうございました。
金魚玉、あれ描き表装なんですか・あちゃ、ああいう柄のを使ったのかと思ってました(たら~汗;) 去年も前に雪佳展で見たときもこんな表装だったっけ?とは思ったのですが・・・
普賢菩薩さまのデロデロ象の頭にシブガキ隊がいたなんて気がつきませんでした~

ところで、日本のポスター展、先日やっとこさ用事ついでに行ってきました。面白かったです~(アップできてないのですが・・)ありがとうございました!
2006/08/31(木) 23:19 | URL | こいちゃ #EVuTtBQQ[ 編集]
こんにちは~
またまた雪佳の金魚だまに出会えてうれしいです。
お江戸日本橋の高島屋に垂れ幕がかかっていたときから
この金魚に魅せられています。
今日はなぜかウルトラマンのぺスターを連想しました。

諸星先生の絵、溶け込んでますね~
違和感ないです~
2006/09/01(金) 05:43 | URL | 一村雨 #-[ 編集]
★sekisindhoさん こんにちは
シ仏ガキ隊のネタはかなり以前の『ぼくらは青年探偵団』に出ていたのをお借りしました。
知る人ぞ知るコミックですが、大好きです。

☆こいちゃさん こんにちは
そーなんです、描き表装でした。初めて気づいたうかつな私。
ポスター展いかれて良かったです♪
また記事お待ちします。

★一村雨さん こんにちは
ペスター大納得です!怪獣可愛いですよね。
諸星センセの新作を読めて嬉しいのですが、早く単行本になってほしいです~
2006/09/01(金) 12:41 | URL | 遊行 #-[ 編集]
こんばんは。
TBありがとうございました。

イイ感じの記事ですね~
楽しく読ませていただきました。

>火とか吹きそう。
爆笑!
2006/09/02(土) 18:36 | URL | Tak #JalddpaA[ 編集]
Takさん こんばんは
乾山に窯の中に放り込まれそうなワタシです。
目からビームと口から火、どっちがマシかしら・・・
2006/09/02(土) 21:51 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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