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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

夢二と大正ロマンの画家 中右コレクション展

中右コレクションを見るのはこれで何度目か。
‘00さんちかホール、東大阪市民美術センター、’04三越 この三ヶ所でそれぞれ大正モダン・昭和ロマン 夢二・華宵とその時代 という叙情画や挿絵のコレクションを見ている。
また、’99思文閣、そして今年に東大阪で浮世絵を見ている。
中右瑛氏のご好意によって、わたしたちはときめく夢の世界に浸れたのだ。
img295.jpg


9/2に見たとき、あまりの人出に負けて何を見たかわからなくなったので、9/4会社帰りに阪神に寄った。今度は見ることもメモを取ることもできた。
もしや、と思った。
それで帰宅して確かめて、嬉しくなった。
今回画集がなくてショボンだったが、前回の三越で販売されていたカタログの中身と同じ内容だったのだ。
嬉しい、そうだったのか。
これがわかっただけでも嬉しかった。
会場内で右手を痙攣させながらタイトルなどをメモった甲斐があった。

細かいことを書くことは出来ない。
なにしろ260点あるのだ。
阪神の公式サイトはこちら。
http://www.hanshin-dept.jp/dept/s_yumeji_index.html
入り口すぐは清方や深水らの肉筆画。
きれいというより、艶かしい作品が並ぶ。
輝方の『汐干狩りニ美人』『団扇持つ女』
これも可愛い。輝方と蕉園の夫婦は長生すればどれほどの名品を残してくれたろう。
『桜花を見る少女』 幔幕から外の桜を眺める可愛い二人の少女。
幔幕での花見と言うのはいつから始まりいつごろ終わったのだろう。
この少女の風俗からゆけば元禄時代のようにも見えた。

清方の『唐人お吉』 テーブルにランプがある。
後に出てくる小早川清も橘 小夢も、描いている。
現代なら玉三郎か佐久間良子が舞台で演じている。
なりたくてなったわけではない洋妾。
古い歌が心の中に流れた。

華宵の肉筆画を多く持つのも中右コレクションの特色だと思う。
今現在華宵の作品を見たいと思えば、東京の弥生美術館か宇和島の華宵美術館しかないと思う。
かつての少年少女はみんな喜んで作品を眺めている。
『花吹雪舞妓』 傘を閉じつつある舞妓の見る先に花散る風がある。
異色と言うか、筆運び・彩色がいつもと少し感じの違う『白拍子』がなかなかよかった。
こうした線も華宵は用いるときがあるのか。

専太郎。
つい数ヶ月前、弥生美術館で初の回顧展が開催されたが、実に50年の長きに亙って挿絵界の第一人者として活躍し続けた。
去年没後三十年だったが、そのあまりに膨大な数に驚いたものだ。
ここにあるのは主に円熟期以降の作品である。
御高祖頭巾の『吹雪の女』、挿絵『天狗廻状』など。

雪岱のお傳地獄がある。img298.jpg

箱入りの本もある。
雪岱ファンのわたしにはそれだけで嬉しい。

橘 小夢といえばわたしには耽美的でややグロテスクな作品が思い浮かぶが、チラシにもなった『タカラジェンヌ』には正直、驚いた。
このひと、こんなのも描くのか。
そんな驚きである。
何しろここにあげる『水魔』などがすぐに思い浮かぶのだから。
この絵はドイツの心理学会にも資料として使われたそうだ。
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皆川博子の文庫版『花闇』の装丁には小夢の『田之助』が使われている。

カラッと健康的で活発で可愛い少女を描くのは松本かつぢだ。
かつぢについてはこちら。
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-462.html
ここには西条八十の少女小説『アリゾナの緋薔薇』挿絵がある。
西部男を一発で殴り倒す元気な娘さん。かっこいいなー。

増原宗一の『刺青の女』が違う作者・違うタイトルだったのが変更・是正されていた。
前のこのタイトルはなんだったのだろう。
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『モガの水浴』・・・どう見ても違うと思います。

そういえば版画家川西英は肉筆絵画のとき、いやに肉感的でチャーミングな女を描くことが多い。肉色タイツでも穿いてそうな。
ビアズリーのサロメを模写した作品も並んでいた。

中原淳一の『少女の友』、夢二のセノオ楽譜、婦人グラフ、深水、言人らの版画・・・
見れば見るほど嬉しくなる叙情画や挿絵たち。
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左側は『カリガリ博士』の表現主義の影響を受けているな。
img302.jpg


わたしの持つ本。img297.jpg

この奥付を見ると神戸新聞社が主催したようだが、なにしろ四年前の図録なので入手は難しいかもしれない。
でもこの表紙をどこかで見たら、そのときは買うことをおススメします。


中右さん、ありがとうございました。
嬉しかったです♪

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コメント
コメント&TBありがとうございました!それにまあ、わたしがびびっときた絵の画像をずらりと並べていただいて!うれし~

雪岱のお傳地獄も小夢の水魔、隣の蜘蛛の刺青もガラスケースの少女の絵もびびび婚しそうでした。増原の刺青は違う作者だと思われていたんですね、びっくり!「モガの水浴」にはおもわず声をだして笑ってしまいました。
川西英さんは風景版画しかみたことがなかったのですが、あんな絵も描くひとやったんですね~ 肉色タイツ(笑)にも驚きましたが、ビアズリー丸写しちがうの~というサロメにはびっくりしました。華宵のは挿絵ぐらいしかみたことがなかったのですが、ああいう美人画もええな~と思いました。

あら興奮して長くなってしまいました。すみません。昨日リベンジしてきたんですよ。↑の図録、表紙だけだったら、わたしなら素通りしてしまいそうです。みつけたらゲットします。ありがとうございます!
2006/09/06(水) 10:58 | URL | こいちゃ #EVuTtBQQ[ 編集]
こいちゃさん こんばんは
タイトル全部メモって帰宅して、もしや~で本出しましてね。
ああ、よかった、という感じです。
しかしやっぱりこいちゃさんもリベンジされましたか。

それにしても最終日まで満員御礼とは・・・

いい展覧会でしたね。
2006/09/06(水) 21:50 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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