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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ミュシャ展の中で

京博からバスで京都駅へ出た。
わたしは朝日友の会のおかげで、選択された展覧会を年40回見ることが出来る。
『ミュシャ』 七月に見てからほぼ三ヵ月後に再会するミュシャ。

ほとんどの作品は見ていたが、装飾資料集という作品集は覚えていなかった。
アールヌーヴォーのお手本。
しかし全く知らないと言うのではない。
調べると、’90年に難波の高島屋での展覧会で見ていた。
ここにあるのはその一部。
img360.jpg

ミュシャが先生でもあったことがわかるようだ。
これらを見ていると、建築家の武田五一がミュシャに深く影響を受けたことなどがわかる。
武田は日本の建築家第二世代の旗手で、第一世代のような西洋一辺倒ではなく日本の数奇屋建築の美を<再発見>した人でもある。
しかしその一方、装飾性はアールヌーヴォーの影響から抜け出てはいない。
img363.jpg


ミュシャは商業芸術に生きたので、原画もさることながら、印刷されたときの効果などを計算して、作品を仕上げている。
それらは百年の歳月を越えて、今日の我々を楽しませる作品として、世にある。

今回はそのことに触れない。
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-537.html
こちらに色々と書いているから。

丁度百年前の作品。『幸いなるかな、心の清きもの』
水彩とガッシュで描かれた二人の少女。アメリカで描かれた作品。
img361.jpg

アメリカはその当時、芸術的に遅れた国だった。
(しかしたかだか建国二百三十年の<合衆国>にしては今日の様相はどうだろう・・・)
ミュシャはパリを離れた時点で人気を手放したようだが、アメリカでは熱狂的に迎えられていた。
そしてこの地でミュシャはテンペラ画を始めるようになる。
それがチェコに帰還してからの『スラブ抒情詩』へとつながって行くようだ。

一枚気に入った作品がある。
img362.jpg

この少女はスターウォーズのパドメに似ている。
そしてロシアのイワン・ビリービンの世界にも共通するように思う。
わたしはビリービンの装飾性もとても好きなのだが、ロシア革命以後その作品は長らく価値を失わされてしまった。
bilibin1-1.jpg


会場では専ら後年の作品よりベル・エポックのパリに君臨した作品を展示している。
観客も無論、それを目当てに会場を訪れているのだ。
今日、少女マンガ家たちのうち、特に技能の秀でた作家たちが二次創作としてミュシャ作品を引用することがある。
それらは全て、パリで時代の寵児として活躍していた頃の作品である。

夢二の人気とミュシャの人気とは似ているように思う。
使い古された言い回しだが、二人とも時代と寝すぎてしまった。
生きている間に栄光と没落を同時に味わい、没後数十年過ぎると、恒常的な人気を取り戻すという点までそっくりだ。
わたしたちはミュシャ展にも夢二展にも出向いている。

会場の売店では複製品が販売されていた。
絵葉書やポスターだけでなく、ちょっとした楽しいグッズに姿を変えてもいる。
ここにもジスモンダやユリの花に囲まれた女や星を纏った女がいる。
これらを見るだけでも楽しくなる。デパートでの展覧会は、購買意欲をそそられるものだ。
百年前のパリの人々とショップにいる人々とは、ミュシャでつながっている。

展覧会はえき美術館であと一週間続いている。
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コメント
> わたしは朝日友の会のおかげで、選択された展覧会を年40回見る
> ことが出来る。
東京の朝日新聞には、このような特典はありません(泣)。
朝日新聞主催の展覧会を40も選ぶのは大変かも知れませんね。

昨年、上野の都美で「ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展」を見ました。
アールヌーヴォーは嫌いではありませんが、ミュシャは、私の好みではなかったようです。

昨日、大丸でDufyを見て来ました。半分はテキスタイルでしたが、織物のデザインも面白いものですね。
2006/09/24(日) 20:46 | URL | 鼎 #PgtEBqSc[ 編集]
鼎さん こんばんは
朝日友の会は関西だけなのかしら?1700円で40回+遊園地16回招待の他に、特定美術館の割引があります。
プーシキン美術館展もこれで見ましたよ。

デュフィはわたしも大丸で見ましたが、絵画よりテキスタイルに惹かれました。却ってそちらの方が好ましいというか、イケテる~~と思いました。
ああいう視点で展覧会が開かれるのも、デパートならではかもしれませんね。
2006/09/24(日) 21:25 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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