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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

素描する人々 ある日の関西洋画美術院

ちょうど先日浅井忠と関西美術院の展覧会を見たところだった。
浅井忠は先生として立派だったようで、基礎もしっかりしていたらしく、今日もこの研究所が存続しているのだからえらいものだと思う。
img547.jpg


ある日の、と副題がついているのも当然で、1906.11.25とか1908.5とか日にちのわかる素描が並んでいるのだ。
モデルはその時々によって代わっているらしい。
みんなマジメに素描する。
わたしは絵を描かないが、デッサンの一番の修行はヌードデッサンだということは知っている。だからか、大変数が多い。みんながんばれ。そう言いたくなった。

同一人物をモデルに描いているが、みんな微妙に違っているのが面白い。
それが個性の萌芽なのか、この人のは少し男前とか、この人のは平べったいとか。
そうした感想が湧いてくる。
ただしそれを書き連ねることに意味はない。

田中志奈子という人がいた。
唯一の女生徒。臆せず、のびのび描いているように思った。ところがこの人も家庭に入って絵筆を折った。
京都ではそういうことがままある。
大阪の場合、いとさん・こいさんが絵を習い、そのまま家庭の人になっても続ける人が案外多く、日本画ではあるが、大勢女流画家もいたのだが。
また、阪神間も大正までは大阪中心部の人間の移住地だったため、文化的意識はそうそう変わりがなかった。こちらは洋画がメインなのだが。

ところで目黒ではこうした渋いデッサン展がよく開催されてきた。
三年前には『身体と出会うとき』というデッサン展もあった。
6月には伊東深水のデッサン展もあり、多くのお客さんを集めていた。
言えば地味で渋い展覧会なのだが、何も華やかなのがすばらしいのではない。
こうした企画をたてること、それ自体に意義が深いと思う。
どちらかといえば苦手な美術館なのだが、内容はよかったと思う。
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コメント
上野の来ている「誇大エルミタージュ美術館展」(字、違ってますか?)で、満腹にならなかったので、目黒まで出かけてみました。
往きはよいよい、帰りは上り坂だぁ。もう、足がヨイヨイで、くたびれました。
こちらは、これでもか、これでもかのデッサンの山、しかも半分以上は男のヌードで、さすがに最後はゲップがでました。

田中志奈子という人は、家庭に入って、筆を折った後、復活したのでしょうか? 解説では、なんとなく、そんな感じを受けました。この時代、男性に混じってデッサンするというのも、周囲の目は厳しかったろうと思います。

安井曾太郎は、昨年、水戸に観に往きました。このときもデッサンが出ていましたが、ほとんど今回のモノは出ていなかったようにおもいます。
みんな古いせいもあるのでしょうが、デッサンはセピア色に変色したモノクロの写真のような感じでした。
2006/12/02(土) 20:09 | URL | 鼎 #PgtEBqSc[ 編集]
鼎さん こんばんは

>デッサンはセピア色に変色したモノクロの写真のような
そこが私なんかには好ましいところです。
百年前の人間と現在の人間の身体や顔の変容は凄いな、とかそんなことに感心しました。

安井は少年時代の蝶のスケッチに仰天しました。
ウルトラリアリズム。
こういうのを描いていた人が修行を積み、やがて自分の世界を生み出して、それを押し通した。凄いなと思いました。好悪を越えて。

田中志奈子も復活してたらよいのですが、あいにく知らないです。
旦那の榊原は二、三年前伊丹市美術館で回顧展があり、水彩画とデッサンやスケッチにたいへん感銘を受けました。
あいにく図録はなかったか何かでしたが。
ほぼ同時代の松園さんも大変な環境にあったけれど、あの人は道を貫き通した。そのことを思うと、胸が詰まります。

上野の誇大・・・(笑) 

2006/12/02(土) 21:49 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
目黒はお嫌いですか、遊行さん/笑。
あそこのティーラウンジはボランティアが運営していたりします。
目黒が大新聞社の後援なしに独自にこういう企画を立てることは僕は評価します。
しかしそれが集客につながらないという点がむしろ問題でしょう。
田中はほとんど三重からの借り物でしたね、三重では田中の回顧展とかやっているのでしょうかね?
よく知らない人だからカタログを作って解説を読みたいと思うのですが、目黒は指定管理者導入以降まったくやる気が感じられないのが残念です。

飯田の回顧展はいかがでしたか?
一階の展示を観てコンピューターアートかと思った僕でした。
2006/12/02(土) 22:16 | URL | oki #-[ 編集]
okiさん こんばんは
あっはっはっ ノーコメントと言うことにしましょう。
行くと必ず一つ二つ腹の立つことがあるので、これはもう相性の問題でしょうね。映画館でも好き嫌いがあるくらいですから。

飯田は西脇順三郎との関わりがよかったです。
ただやはりデジタルアートなのかと思い、名前を見て「あっ」でした。

企画を立てるのは評価できます。
しかしご指摘のとおりやる気のなさは大問題ですね。
それで運営が続くのだろうか。ちょっとプロからアマに変わっちゃったのでしょうかね。
2006/12/03(日) 02:27 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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