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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

浪花をいろどる 大坂で活躍した絵師たち

住まいのミュージアムという面白い博物館が大阪にはある。
場所は天神橋筋6丁目駅の真上。つまり十丁目筋の商店街の只中。
常設展と特別展の二本立てで、今回は特別展を見に来た。
ここの常設展は江戸時代から戦前戦後復興期までの大阪をクローズアップしている。
比較するなら、大阪歴史博物館が江戸東京博物館なら、ここは深川江戸資料館だと言う感じ。わたしはこっちの方がなじみやすい。街中の再現が町内単位なので。
今回の特別展は『浪花をいろどる 大坂で活躍した絵師たち』
特別展と言うより企画展というのが正しいか。

丁度先月芦屋美術博物館でもなにわ四条派の系譜という展覧会を楽しんだが、今回もほぼ同じ絵師の作品が並んでいる。
前回はこちら。
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-664.html

大坂の絵師の展覧会はこれまで皆無だった。
最近やっと光が当たるようになったが、ちょっと手遅れの観がある。
つまり、アメリカ流出。
今や大人気の若冲も40年前にはアメリカへ流れて行ったが、こちらもそう。
安い値段でアメリカのコレクターの手元に入っている。
しかしそれでもこうして残された絵を集めて展覧会をしようとするのはえらい。
ケイモーは必要だ、ホンマに。
今回のチラシ。
img582.jpg

このチラシが不思議なのだ。西王母と鶴の三幅対なのだが・・・
実物は反転したものが正しい。
こんな感じ。img582-1.jpg

何を考えてわざわざ反転させたのだろう。
そういえば昔、あるアニメの設定資料集で傑作なものがあった。
椅子に座る絵があるのだが、それを流用した他の雑誌では、椅子と机をデリートしてそのポーズを「武芸の達人」と説明しているのだ、笑えたなぁ。
これは江阿弥という絵師の作。

別な西王母もある。めでたい絵だ。
IMGP0998.jpg

大坂名勝図がある。岡本俊彦の作。彼は豊彦の息子。
わたしは名勝図や、江戸初期までの遊楽図などが大好きだ。
それらを見ていると遊びに行きたくなる。
他にも五井金水の浪速勝景帖というのがあって、これが面白かった。
明治の大阪風景なのである。
住吉一つにしても、お田植え神事の後に出るのか万歳もどきがいる。弁慶のようなかぶりものをしたのと才蔵とが。そして母子三人連れの合邦ケ辻閻魔堂前。ここは現在も残っている。
通天閣に昇り足元を眺めると、小さな社がある。大きな森は生玉さんだと思うが、こちらはなんですかと訊いたら、それだった。様々な物語の舞台としての、閻魔堂がそこにあったのか。
他にお琴のおさらい会、地蔵盆、紅葉狩り、帝塚山などなど。

それから商家の月次図があった。お正月の餅の絵は、ミュージアムのイベントにも借り出されている。
IMGP0999.jpg

四天王寺の舞楽、天神祭などなど・・・
わたしは月ごとの節句とかなんやかんやが好きなので、こんなのを見ると嬉しくなる。

それから鷺の襖絵。解説では六羽の鷺がとあるが、どう勘定しても七羽いる。
『11人いる!』よりは不穏な状況ではなかろうが、これではサギだ。
それとも双頭の鷲というのにひっかけてのなら・・・相当な詐欺だな。

『漁礁図』屏風を見ると、樵も漁師もそれぞれみんな機嫌がよい。
なんというのか、大体これまで見てきた漁礁図は山水画の1分野として、風景の中の人物だったけれど、ここには働くオジサンたちがいるのだ。
山で働く人たち・川や海で働く人たち。
みんな自分の出来る限りの仕事をして、機嫌がよい。
感情のある漁礁図を見たように思う。

琴棋書画図もそうだ。高士の宴というより、ご近所飲み会またはバーベキュー大会みたいな趣がある。長寿の桃もあるけれど、へんなリアリティがあった。
品は落ちていないが、なにより楽しいのだ。

色々良いものを見た。展示品はここの所蔵。めでたいことだ。
イブまで開催。200円は嬉しい限りだった。
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