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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

拾遺・描かれた舞台風景

img607.jpg

(尾上と岩藤)
暮れの忙しい中、わたしは今年演じられた舞台のTV放送を楽しみにしている。
それに先駆けて、舞台風景を描いたものを紹介したい。

兵庫県立美術館にはその前身・近代美術館の頃から金山平三の作品が多く収蔵されている。
小磯良平ともども金山にも常設室があり、今回はわりと多くの歌舞伎舞台絵が展示されていた。
それについて書き起こしてみたい。

洋画家による舞台絵は金山の作品のほかにはあまり見ていない。
鍋井克之が肖像画として『実川延若』を描いているのが思い出されるくらいだ。
この作品は歌舞伎座に飾られているので、見られた方も多いと思う。

舞台を描くというより、情景そのものを描く作品は多い。特に日本画には名品がある。
もともと浮世絵の中の芝居絵などはそれだ。
しかし舞台の<風景>を描く画家は案外少ない。
能狂言をデッサンし続けた須田國太郎のその作品も、人物デッサンに重きを置いている。

金山は舞台を描いている。演じられている芝居の中に入り込む作品ではなく、舞台で演じられている情景を描いている。
そしてそれは芝居絵ではなく肖像画でもなく、風景画として捉えられている。

金山平三は主に風景画を描いた洋画家である。
大石田、最上川、雪の風景を多く残した。
人物画でも魅力的な婦人像があるが、やはり風景のほうが多いように思う。
その金山はたいへん歌舞伎好きな人だった。
描けることは幸いだと思うのは、こんなときである。
金山は大好きな舞台を延々と描き続けた。生涯にわたって。
残された作品は殆ど制作年代がわからない。タイトルもわからぬものが多い。
しかしなんとなく「これでは?」と思うものがありもする。
ただ、金山は役者の顔を描かなかった。そのため、誰を描いたか・どのときの舞台かがわからない。
わたしの持つ絵葉書を並べてみる。
今回の展覧会には出ていないものばかりだが。

img604.jpg

クリックしてください。
右上が揚巻と意休だというのはわかるが、あとはよくわからない。
右下は『いもり酒』と題があるから「ああ、あれか」とわかるが。
しかしわからなくても、こうして眺めているだけでも楽しい。
img605.jpg

クリックしてください。
左上は芳流閣の場。右下は伊右衛門にもお坊吉三にも見える。
月はあくまでも冷たい。

今回の展覧会には『蘭蝶』『浦里』『琴責』が出ていた。
ああもう、眺めるだけで芝居が見たくなる。
そして出来ればこの舞台を描いた作品の全容を見せてもらえたらと願っている。

最後に、これはよく知られている芝居から。
img606.jpg

切られ与三の見初めの場。
お富さんを見て、羽織がずり落ちるのも気づかずポーッとなっているのだった。
金山は誰の演じた与三郎を描いたのだろうか・・・・・

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コメント
舞台絵
新年のお慶びを申し上げます
・・・と、昨年の記事にコメントつけていますが(笑)
兵庫県立美術館にこのような絵が収蔵されているとは知りませんでした。神戸には年に2回位足を運んでいたにも関わらず、兵庫県立美術館のことは完全にスルーしていました。無精はするものではありませんね。反省。
そして、知っているような知らないような舞台の絵が!
1枚目のセット。揚巻さんの左下の絵、船に乗り込む人達にはどこかで見覚えがあるのですが・・・。うーん。左上の女郎には全く見覚え無し。気になる。生の舞台が見たいよー。
2枚目のセット。左上の屋根上の人物は弁天小僧?左下は奥州安達原?右上は高時?左下はお坊吉三?
やばい。これ見ていると歌舞伎座にダッシュしたくなります。
2007/01/02(火) 18:48 | URL | 菊花@芝居道楽 #sw/O2jfA[ 編集]
さすが!
菊花さん こんばんは
'07年もよろしくです。

二枚目の上の大屋根、タイトルは一応芳流閣なので八犬伝なんでしょうが、雰囲気的に蘭平みたいにも見えませんか?捕り手も追われる方も同じような四天ぽいし。うーむ。
それとさすが菊花さん、そうです安達原です。
わたしも昔の勘三郎のように唇ブルブルブル・・・
出来へん出来へん(笑)
その隣はお坊なのかなぁ・・・ちっと不明です。

しかし本当にこういう絵を見ていると、芝居が見たくてうずうずしてきますよね。
そういえば歌舞伎美人メルマガ、まだわたし慣れてなくて読みにくくて、以前の歌舞伎座メルマガが懐かしいですよ。
2007/01/02(火) 22:16 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
舞台絵と平将門
二枚目の上の大屋根、確かに蘭平にも見える。しかも、おっしゃるとおり捕り手も追われる方も同じ四天っぽいのが更に気になりますよね。うーん、でもタイトルからすれば八犬伝だし。これは古本屋を徘徊して金山平三の舞台絵集を見つけなきゃかしらん。
閑話休題・・・と云いつつ、相変わらず舞台のことですが。
先日教えて頂いた真山青果「平将門」と「叛逆時代の平将門」読みました。将門の人物像が興味深く描けているし、将門に絡む人々にも骨と味があって堪能いたしました。ありがとうございます。これは是非舞台を見てみたい作品です!松竹に直訴すべきかしら(笑)
2007/01/04(木) 23:31 | URL | 菊花 #sw/O2jfA[ 編集]
菊花さん こんにちは
もう見たい芝居だらけですが、大概上演されない。
白縫譚、恐怖時代、謎帯一寸徳兵衛などなど。
猿さまのところでオグリ初演の方の演出でとか色々・・・

将門は橋之助で見たいです。
2007/01/05(金) 10:01 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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