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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ピカソの版画と陶芸

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国際美術館は地下都市のように広がっている。
地上にはオブジェのみ。地下に展開する展示室やレストラン、図書館など・・・
アリのような気分。蟻の熊野詣は中世のブームだったが、こちらは蟻の巣めぐりか、またはモヘンジョダロの遺跡散歩のような構造。

ピカソの版画と陶芸展が開催されている。
これまでもピカソの版画や陶芸は見ているが、わたしはピカソの作品の中ではこの分野はけっこう好きだったりする。
関係ないが急に思い出した。雑誌サライ創刊号の表紙が、子供時代のピカソ兄妹の写真だった。
画商ヴォラールのために拵えた版画シリーズというのもあったと思うが、ちょっと今それがどれなのかが思い出せない。

百年前の『サルタンバンク・シリーズ』はかなり好きで、有名な『貧しき食事』はともかくとして、彼らの動く姿を捉えた作品には心惹かれる。
『二人のサルタンバンク』 横向きと正面向きの青年二人のうち、こちらを向く若いサルタンバンクはなかなかハンサムだ。
ほかにも玉乗りの練習する者や繕い物をする女など、サーカスの人々の生きた風景が綴られていて、観ているとそこはかとなく、はかないような何かを感じもする。
面白かったのは『サロメ』である。
踊るサロメは既に全裸になっている。眺めるヘロデ王もぱんつ一枚で醜悪なフテブテしさを見せ、褒美の首は既に切り落とされて銀盆に載せられ、女奴隷の膝にある。
ピカソだとわかっているが、むしろこれは山本容子の世界に似ている。
山本容子がピカソに似たのではなく、前代のピカソが山本容子してる、という感じ。

『バルザック 知られざる傑作』シリーズはなかなか凝っていた。目次がうまい。
四方を裸婦が囲み、その中に12コマのマンガが入っている。
ところがこれを拡大化すると、実はそれぞれの挿絵になるのだった。

『顔』 このタイトルだけでは藤山直美の映画のようだが、無論違う。
鼻と左目と唇だけがそこにある。随分綺麗だと思った。これらパーツだけでありながらも。

『夜、少女に導かれる盲目のミノタウロス』 綺麗な闇と星と。色合いがとても綺麗だと思った。言えばモノクロなのだが、豊かな色彩を感じるのだ。
これはアクアチントなのだが、次の『女のヴェールを剥ぐ牧神』もそうだ。
技法の違いが面白い効果を生み出しているようだった。
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『大きなフクロウ』 一目見てニューギニアのトーテム動物絵かと思った。そんなプリミティブさがここにある。

『ダヴィデとバテシバ』 おお旧約聖書。ダヴィデの顔がマカロニウェスタンのフランコ・ネロのように見えた。

『ランプの下の静物』 冒頭に挙げた画像。光のあたる部分が赤く、影は黒い。大胆な線で強調される光。ランプの明るさと暗さとが同時に感じられる。

『冠を戴いた小さい顔の女』 なんとなく、スカーレット・オハラを演じた時のヴィヴィアン・リーを思い出した。髪形のせいだろうか、それとも。

陶芸は少しだけ出ていた。
『アイスピッチャー』 画像は女の顔のように見えるが、会場で見た時まるで犬張子のようだと思った。ただしここに並ぶ作品は全てオリジナルではなく、複製品である。
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『顎鬚のある男の妻』 コクトーが絵付けしたような感じの作品。コクトーもたくさん陶器を残していた。

なかなか楽しむことが出来たが、これは先にあげた『大阪コレクションズ』のチケットで見ることが出来るのだ。3/25までだから、大阪に来られる方はよかったらどーぞ・・・。

2014年に埼玉でピカソの陶芸展が開催された。
その折のチラシを挙げる。
イメージ (8)
イメージ (9)

追記というか、この美術館の所蔵展も開催されていて、その中で小林孝亘の『FOREST』に惹かれた。森の中の木々ところどころが光る。まるでナイト・シャマランの映画のような不気味さが、(それなのに)明るく描かれていた。
同じく車の後姿シリーズが面白かった。みんなライトをつけている。トラック、ワゴン、バス、タクシー、セダン・・・小さい男の子たちが喜んでいた。
描かれた意図はわからないが、こうして小さいお客さんが喜んでいるのだから、それはそれでいいと思う。
他に駒井哲郎の版画『ねこ』『隅田川』もよかったし、丸山直文『バタフライソング』もきれいだった。
しかしリストがないので自分の書いたタイトルが正しいかどうか定かではなかった。

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コメント
ピカソ
版画はステータスによって色合いを変えますね。
三鷹でピカソの版画作品をステータスごとに展示した展覧会を観た記憶があります。
ピカソは写真もやりましたね、被写体にもなったけど自分でも撮影する、家族の写真とかこれまた面白かった。
駒井哲郎は世田谷美術館ご自慢ですね、資生堂の福原コレクションから確か寄贈されたんでしたっけ?
2007/02/12(月) 22:11 | URL | oki #-[ 編集]
okiさん こんにちは
ピカソの写真で一番面白かったのは子供たちなどのスナップでした。それと被写体ピカソとしては、コクトーにアーンさせてるところや闘牛見てるとこかな。
駒井哲郎いいですよね、世田谷にはなかなか行けませんが。
2007/02/13(火) 09:22 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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