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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ターシャ・テューダーの世界展に行く

ターシャ・テューダーの世界に触れる度、心が深くなる。
展覧会はいつ行っても大混雑で、ゆとりを持って楽しむことは決して出来ぬのだが、それでも行きたくなる。
彼女の住まう庭園の再現と、彼女の作った絵本の原画と、彼女の愛する人形、動物、家具、そして暮らし中で使われる日常品。
全てが<ターシャの>と所有格で語られる作品たちだが、そこには一片のいやしさも欲深さも存在しない。
自然と人間とのかかわり、自然に対して謙虚であることの尊さ、そのことを接した者たちは感じ取る。
ターシャの優しさと厳しさを同時に知り、現代においてターシャのライフスタイルの<豊饒な贅沢さ>を深く知る。
いくら広大なアメリカの田舎に住むとはいえ、ターシャは百年以上前のライフスタイルを守り、貫いている。
それを行うことも・続けることも、我々が思う以上に厳しいことではないか。
しかしターシャは類まれな意志力でそれを続行する。続行、それが何よりも凄いことなのだ。
話を戻し、このあべの近鉄百貨店に広がるターシャのフィールドを楽しもう。
(とは言え、着いたときにはあまりの人出にクラクラした)

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猫はトムだっけ。mir192.jpg


コーギー犬。あちこちでよく見かける可愛い犬。
この犬種もターシャの絵本から人気が出たのではなかろうか。
ターシャの後になり先になり、まといつく足の短い可愛いわんこたち。
ターシャの愛情を受けて元気よく跳ね回る姿が、絵本になる。
愛くるしさに眩暈がしそうだ。
絵の上から撫でたくなるほど、ターシャの描くコーギー犬たちは愛しげである。
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展覧会のお客さんの95%はご婦人方、あとは彼女たちの息子またはついてきた夫。
子供はこの自然に目を向けているが、おじさんたちはベンチに座り込んでいる。
たぶん、疲れているのだろう。
疲れているからこそターシャの世界に触れて和んでほしいが、この混雑に負け、そして何よりこの世界に背を向けているから、決して癒されないようだ。

わたしはターシャの生きる世界に行くことは出来ない。
半日くらいしか滞在を許されないだろうし、わたしも喧騒の中に戻りたくなるから。
しかしそれでもターシャの世界にあこがれる。
そうした力がターシャの世界にはある。

アドベント・カレンダーがあった。ターシャが楽しんで作ったろうカレンダー。
子供たちのため、と言うだけでなくターシャ本人の喜びのために。
数年前、わたしもクリスマスにもらった。とても嬉しかったし、自分でも作ってみたいと思った。思ったが、実際には作れない。
子供の頃ノートにパラパラマンガを作ったり、次々ドアを作っていったりはしたが、今は出来ない。しない、と言うほうが正しい。してみたいが、自分の思うことが出来ないし、余分な知恵がついた分、却って面白味のないものになる。それが悲しいのでしない。
だがターシャはそれをする。そんなことがとても羨ましく、素敵に思う。

ドールハウスにしてもそうだ。
わたしたちのあこがれるもの・好むものをターシャは自分の力で作り出してゆく。
これは実物大の椅子とテーブル。とても可愛い。
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2001年春に心斎橋の大丸でターシャの展覧会があった。
今回チラシが入手できなかったので、こちらの方を挙げることにする。
今回販売されている図録はこのときのものだと言う。
それならそうそう遠くもないだろう。

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なおターシャについて詳しくはmarimiさんのこちらの記事をご覧ください。とても魅力的な内容です。
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コメント
ターシャ展、すごい人だったと聞いてとても嬉しくなりました。
ターシャを好きな人、やっぱり沢山いらっしゃるんですね。深い精神性に触れるだけでも、大きな糧になる気がします。

>自然と人間とのかかわり、自然に対して謙虚であることの尊さ
ターシャの大切にする古いアメリカ人の生活って、土台にこの考えがあるんですねきっと。とても素敵です!
ターシャの文章を読んでいると、生まれたばかりの赤ん坊みたいなみずみずしさが感じられます。
憧れますね~本当に。


2007/08/06(月) 04:00 | URL | marimo #-[ 編集]
遊行さん、こんにちは^^
私も行ってみたいととても憧れるような展覧会です!
私が写真集を見て、初めてはっきりと、「感動した」「圧倒された」と感じたのは
ターシャの庭の写真集でした。
私が普段はあまりそういうものを見ない上に、
芸術を鑑賞する能力にも長けていないせいかもしれませんが(^_^;)
でも初めてターシャの写真集を見たときは
ただもう、なんて素敵なんだろうとため息をつきながらひたすらうっとりしてしまいました。
そうして今回は遊行さんの文章にもうっとりです。

展覧会の人ごみの多さも想像つきます。
きっと私のような、普段そういうことをしない人でも
「是非見たい」と思ってかけつけたのでございましょう(*^_^*)

私はターシャのキッチンでお菓子を作ってみたい。
「オーブンの温度は190度で20分」とかじゃなくて、
火加減と、焼き加減と、自分のカンで
お菓子を焼き上げられることに憧れます…(笑)。
マリラがアンにお台所のことをいちから教える図、というのにも
とても憧れをかきたてられるような私でして(笑)
やっぱり根っからの食いしん坊のようです!
2007/08/06(月) 09:04 | URL | きょうこ #-[ 編集]
☆marimoさん こんばんは
ターシャの最初の名前がスターリングだった、ということを知りました。
わたしにとってスターリングと言う名は、姓ならクラリス・スターリングを、名ならスターリング・ノースを思い出させてくれます。
前者はトマス・ハリスの生み出した魅力的なキャラ。
後者は「あらいぐまラスカル」の飼い主で、原作者。
映像に見るターシャの暮らしぶりは、そのスターリング少年がラスカルと過ごした時代を髣髴とさせてくれます。
日常品・消耗品を自分で作り出し、ゴミを出さず、自然と対話する日々。
ターシャが素足でいることにも憧れました。
気持ちいいからそうしているのでしょうね。
それがとても自然体で、うらやましいです。
しかし本当に凄まじい人出でした。


☆きょうこさん こんばんは
お菓子作りが大好きなきょうこさんだからこその視線を感じました。
>火加減と、焼き加減と、自分のカンでお菓子を焼き上げられることに憧れます
それですよね、うん、そう思う。
(思うだけのわたしですが)
ターシャは自分の庭で採れたもの、自然から恵まれたものを慈しみ・愛しみながら心をこめて調理するのでしょう。
長く生きてきたことで培われた経験とカンとで。
そうしたことが身についているのは、本当に凄いことだと思います。
賢い、というのはこういうことなのだとも感じます。
なにも自給自足するからエライというのでなく、自分の分を弁えている、そのことが一番えらいと思います。
どんな環境であろうとも、自分の望む最良の生き方を貫くこと。
ターシャの世界に触れると、そんなことを考えます。
2007/08/06(月) 21:33 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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