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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

『わたしの好きな美少年』展

自分の誕生日祝に、「わたしの好きな美少年」展をすることにした。
既に千露さんlapisさんその記事を挙げておられる。
お二人は西洋古典絵画からラファエル前派あたりまでの、洋画の中の美少年を選ばれている。
それはもう目の法楽で、わたしはどきどきしてばかりだった。
お二人には「わたしは日本画などから選びますね」と予告していたので、日本画を眺めると、これがまたある種の難しさを感じることになった。
近代日本画を改めて眺めると、現代のコミックの美少年につながっていることを痛感した。特に挿絵はそう。別にそれらを選んでも良いのだが、それをすると収拾がつかなくなる恐れがある。
高畠華宵、伊藤彦造などの美少年はそれだけで特集すべきなので、ここではあえて差し止めることにした。

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戦前の日本洋画にもなかなか見当たらないが、こちらはわたしの好みだ。

年代順に並べてゆく。
古事記に現れる美少年といえば、やはりヤマトタケルが第一だろう。
熊襲の国で女装して敵を討つ、というエピソードにもたいへん萌える。
しかし生憎なことにあまりわたし好みの図像がなかった。

厩戸王子、といえば聖徳太子という以前に山岸涼子の『日出国の天子』が真っ先に思い浮かぶのだが、ここでは小林古径と守屋多々志の王子を選んだ。
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有馬皇子の悲しい生涯は、上村松篁の彩管で追うことがかなう。
ここには鹿児島寿蔵の人形を挙げる。
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仏教界の超人・空海の幼な姿を描く『稚児大師図』は幾種も見た。
殊に美しい図像をここに出す。
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貴種流離譚の最たる人が源義経である以上、彼を外すことはできない。牛若丸と呼ばれた幼年期、鞍馬に逼塞する遮那王の時代、そして。
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平家物語の公達・敦盛の図像は菊池契月によって定まったように思う。
須磨寺を想う度、この雅にやさしく、はかない美少年を追想する。
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契月には美しい若武者の絵が多い。
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太平記にも少年が現れる。阿新丸(くまわかまる)のエピソードは、仇討ちを遂げることに全てをかけた少年のせつなさを、わたしに感じさせる・・・
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浮世絵からも美少年を招ぼう。mir194-3.jpg

月岡芳年の明治期の少年たちの絵にはあぶな絵の匂いがする。

それからこれは姫路の歴史博物館に収められている淡路人形浄瑠璃の『太十』の十次郎、瀕死の姿にときめいている。
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中国の美少年にも目を向ける。
横山大観の寒山拾得は美少年だと思う。
タイトルは『被褐懐玉』mir194-1.jpg

装いはこのような襤褸であろうと、うちには輝きを抱いている。
こちらは幼い二人。筆谷等観という画家はこの絵以外知らない。
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菊慈童。罪によって流され、菊の露を飲んで時間を止めてしまった美童。能面そのものの美しさにも感動するが、この横顔にみとれる。
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アジア・ポリネシアの少年たちにも惹かれる。
日本で活躍した版画家ポール・ジャクレーはたぶん、少年を愛した人なのだと思う。
彼の数多い魅力的な少年のうち、黄色い目をした二人を招く。
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また、ベトナムのレ・フォーという画家の少年にも惹かれている。
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洋画にも少し。
ピカソがわが子を描いた作品の中で特に惹かれるのは、パウル像。どちらもとても可愛い。
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ルノワールの珍しい美少年像を二枚・・・
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それからこれは少年ではなく青年に近い年頃で描かれた天使。
京都ハリストス教会に飾られたイコンから。
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最後にミケランジェロの素描から。わたしが世界一美しいと感じる横顔である。
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楽しかったが、なかなか難しいものだと思った。西洋古典洋画を意識的に避けたから、よけい難しかった。


また再チャレンジしてみたいと思っている。

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コメント
美しい♪
遊行さん、お誕生日おめでとうございます♪
そのおめでたい日に、これだけたくさんの美少年を拝見できて嬉しいです(笑)
厩戸王子、有間皇子など古代の王子にはときめきますね。「隼別王子の叛乱」も思い出しました。
義経、敦盛のはかない美しさもはずせませんね。
美男子、というニュアンスとは別の、中性的な魅力が美少年には必須項目かもしれませんね。
東西様々な美少年を鑑賞できて楽しかったです。ありがとうございました♪(^^)

2007/08/07(火) 10:01 | URL | tanuki #s.Y3apRk[ 編集]
遊行さん、お誕生日おめでとうございます。
これからも遊行さんの世界をこちらで拝見できるのを楽しみにしています!!
2007/08/07(火) 14:04 | URL | ろこ #-[ 編集]
こんにちは。

ひええー、裸の聖徳太子。どういう意図で描かれたのでしょう。

ルノアールの少年像、初めて見ました。かわいいですね。プクプク猫も。

ブリジストン美術館に青木繁を見に行かねばと思いつつ、あまりの暑さに家でぐったりしています。オホナムチが来ていたら飛んで行くんだけどなあ。
2007/08/07(火) 14:57 | URL | ひろすけ #-[ 編集]
ありがとうございます
☆tanukiさん こんばんは
>「隼別王子の叛乱」・・・せつないですよね。
仁徳天皇といえばいいイメージしかなかったのですが、これでなんだかヒールに(笑)。
古代から中世にかけての貴種たちのはかなさには、ただただときめくばかりです。今はいないなぁ。


☆ろこさん こんばんは
メールでもありがとうございました。
完全に自分の趣味に溺れております(笑)。
なんかもぉロコツですね。
いずれ別方向のも作ってみたいです。
でもヲタ暴露になるかもしれません(笑)。



☆ひろすけさん こんばんは
あの厩戸サンには私もぎょっでした。
実物はけっこう大きいです。
守屋画伯の作品には時々こんな嬉しいものが。
ルノワールのはオルセーで、とても好きです。
ナムチは石橋で寝転がったままです(笑)。
近美でしか見てません。(みたいよ~)
2007/08/07(火) 21:44 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
遊行七恵さん、こんばんは。
☆お誕生日おめでとうございます☆
まだ●歳ですよね。お若いです!

鹿児島寿蔵さんの紙塑人形がいいですね。
と云うのは、個人的なことですけどかなり以前にご夫妻にお会いし、親しくお話しさせていただいたことがあったのでとても懐かしく拝見できました。

千露さんの記事もそうですけど、この企画は面白いですね。
2007/08/08(水) 00:43 | URL | sekisindho #7JPwz3bk[ 編集]
遊行さん、お誕生日おめでとうござます!!

特別企画展すっかり堪能させていただきました。
絵というと西洋西洋と思いがちな私ですが、遊行さんの記事を読むと、いつも東洋の素晴らしさが目の前に広がります。
時代を遡ってヤマトタケル、敦盛、浮世絵もとても素敵です。
ピカソはあいかわらずお洒落だし、ルノワールの少年もとても清々しいです。
ミケランジェロの素描の男性、悩ましい横顔、これはときめきますね!
素敵な企画ありがとうございました。
遊行さんにとってまた、素敵な一年になりますように。
2007/08/08(水) 00:49 | URL | marimo #-[ 編集]
おめでとう
お誕生日おめでとう!
遊行さんのヴァイタリティはこの真夏に生まれたというところにもあるのかな。
美少年ー男の僕は絵を観るときそういう観点から観ませんが、遊行さんの観察力にはなるほどです。
2007/08/08(水) 10:03 | URL | oki #-[ 編集]
一日遅れとなりましたが、お誕生日おめでとうございます。
(月遅れの)七夕の生まれとはなんともロマンチックですね。

裸の厩戸王子は以前にもご紹介されていましたが、本当にドキッとする魅力を感じます。
有馬皇子は実際には美少年だったかどうか記録は残っていませんが、
数々の少女漫画に登場する彼はいずれも大変な美少年に描かれていますね。
美少年ではない有馬が登場していたのは石ノ森章太郎の『日本の歴史』くらいだと思います。
>『稚児大師図』
私は四国在住なので弘法大師空海関連の資料を見る機会は多いのですが、
こんな愛らしいお大師様は初めて見ました。
>筆谷等観
寝顔が本当に愛らしいですね。
一緒に寝ている虎の寝顔もかわいいです。

本当に数々の美少年たちに楽しませていただきました。
挿絵の美少年特集も楽しみにしております。
2007/08/08(水) 21:12 | URL | 千露 #GyvMcuCk[ 編集]
ありがとうございます
☆sekisindho さん こんばんは
鹿児島寿蔵さん・・・いいですねぇ。
私は人形がまたとても好きなのです。
子供の頃の『新八犬伝』以来。
いつか人形特集もいいかも・・・。
>この企画・・・
sekisindho さんもぜひぜひ記事を挙げてください。
(注:ご自身の顔写真はナシですよ)


☆marimoさん こんばんは
私は泰西名画に弱いので、こちらをピックアップしたのですが、古典からは選べなかったのが残念です。
大和絵の殿方は私の趣味から外れてました(笑)。
光君も業平も本多平八郎も・・・
でも幕末の昭代絵には案外いてます(笑)
ルノワールの「白色」にどきっとしました。
予想外の色でした。


☆okiさん こんばんは
暑いのに出歩くから、真っ黒です。
われは海の子のような(笑)。
現代芸術に目がいかないのは、
「そこに美少年がいないから」
なんですよ。(すごい理由だ)
眺める以上は愉しみがないと(笑)。
なんだかオヤジだな、わたし。
2007/08/08(水) 21:28 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
ありがとうございます
千露さん こんばんは
いつか必ずしたいと思っていた企画でしたので、千露さんが先鞭をつけて下さったおかげで、気合が入りました。
稚児大師図は、実は6種類資料を持ってまして、その中でもこちらが特にいいです。
虎とちびっこが仲良しなのが、見るだけで嬉しくなります。
>挿絵
弥生美術館で見極めてきます。
2007/08/08(水) 21:35 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
1番上の保田龍門の作品に魅了されます。楽しく美しい作品集です。
2007/08/17(金) 21:57 | URL | yuyu-museum #-[ 編集]
yuyu-museumさん こんにちは
>保田龍門の描く少年は、<蝶と戯れて>いるんですが、ここに挙げるまで気づかなかったのです。
たとえ現実の蝶でなくとも、少年の指先が蝶に触れているのは、艶かしいですね。
2007/08/20(月) 12:47 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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