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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

『ガラスの仮面』展を見る

「やりたい!お芝居をやりたい」――マヤ
「実力の世界はいいわ・・・!本当の自分が認められるから!」――亜弓
ガラスの仮面の展覧会が世田谷文学館で開催されていた。
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わたしが最初にガラスの仮面を見たのは、’76辺りのように思う。それまで『別マ』を読んでいたが、そこに連載していた美内すずえ、和田慎二、河あきら、柴田昌弘らがいなくなり、淋しくなっていた。ところが本屋で三原順『はみだしっ子』に出会い、掲載誌を買ったらそこに美内すずえも和田慎二もいた。
「あたしは美登利さんになれない」
マヤちゃんが泣いているのを見たのがガラスの仮面の最初だった。これは間違いがない。
30年前の記憶だが、子供の頃に驚いたことだけに、はっきりしている。既に美内すずえの恐怖マンガには慣れ親しんでいるから、「えっ日本が舞台で、しかも演劇の話?!」とびっくりしたのだ。(はるかなる風と光、みどりの炎、魔女メディア、燃える虹、ひばり鳴く朝などは遠い国が舞台だったのだ)
それから『はみだしっ子』が終了するまで『花とゆめ』を買い続けた。(それ以降はLALAを買った)だからリアルタイムに読み続けたのはかなり長かった。
マヤちゃんが謀略に巻き込まれ芸能界追放の憂き目に遭ったりした頃、こちらも読んでいてつらかった。
紫のバラの人が速水真澄だと、いつマヤちゃんにわかるかと、ドキドキし続けた。
リアルタイムに連載作品を読んでいた頃は、マヤちゃんが心配で友達気分で応援していたのだ。
しかしやや大きくなり、まとめて読んだりすると「一個のキャラを応援する」という地点から「物語全般を愛する」という意識に変わっていった。
マヤちゃんにしろ亜弓さんにしろ速水真澄にしろ、皆懸命に生きている。一つの目的に向かって走り続けている。
そのことに気づくと、新たな感動が生まれていた。
コミックス表紙mir253.jpg

展覧会はマヤ・亜弓・速水真澄らの時間の流れをそれぞれ表にしたり、各自の心の流れなども示す構成になっている。
みんな熱心に眺めている。年齢層も各自違うが『ガラスの仮面』が好きだ、という気持ちに変わりはない。

ところで本編で演じられたお芝居のうち、原作があるのは『たけくらべ』『若草物語』『嵐が丘』『真夏の夜の夢』『奇跡の人』『狼少女』などだと思う。(亜弓さんはジュリエットや『王子と乞食』も演じていたが)
他は美内すずえオリジナルだと思うのだが、中でも『二人の王女』は劇中劇とは言え、大変に面白い。これと『紅天女』は一篇の物語として独立して読みたい、と思う。
こうした物語を読むと、やはり別マ時代、和田慎二と並んでストーリーテラーとして輝いていた作家なのだとつくづく実感する。

原作のある芝居をマヤちゃんが演じるとき、わたしはそれぞれの原作を読むように努めていた。だからいまだに『たけくらべ』といえば清方の名画と共にマヤちゃんの泣き顔を思い出すのだ。『奇跡の人』も姫川歌子との格闘がすぐに蘇る。

マヤちゃんが芝居に入り込む前に行う訓練や練習などで特に面白かったのは『石の微笑』『奇跡の人』だった。

会場では原画だけでなくその舞台装置の再現もされていて、「ああそうなのか」と今更ながらに感心することもあった。独り舞台のヴェネツィア風景などである。
会場のあちこちで楽しみが待っている。

新作能『紅天女』の衣裳などもある。月影先生が能面をかぶって演じたことを思うと、やはり能仕立てというのは、とてもよいようだ。

ところで世田谷文学館では再現コーナーがあり、昨夏にはウルトラセブンのメトロン星人の四畳半がそこにあったが、今回は・・・ふふふ、床に転がる台本たち、昭和の匂いが濃い。
IMGP2334.jpg

壁にはこのポスターIMGP2336.jpg

そういえば作中マヤちゃんが麗のバイト先に行きカフェオーレを大飲みするエピソードがあったが、私はそれまでカフェオーレを知らなかった。
『ガラスの仮面』からは色んなことを教わり、色んな楽しみを齎してもらえた。

見応えのある展覧会だった。美麗な原画も見れ、嬉しい限りだ。
物語がどのような展開を繰り広げるにしろ、この先も待ち続けたいと思っている。

文学館のガラス戸にはこのポスターが!素敵だった・・・
IMGP2337.jpg

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コメント
ガラスの仮面、はまってました。
コミックス、買い揃えて、一喜一憂。
マヤのお芝居する様子の描写の、美内さんの上手さに、唸ってました。

TVで、月影先生を野際陽子が、マヤちゃんを安達祐実が、演じると知った時、けして見るまい、と心に誓いました。

それにしても、遊行七恵さんのアクティブさと熱意、素晴らしい!
2007/09/03(月) 23:18 | URL | 紫 #-[ 編集]
紫さん こんばんは
偶然ながら今の今まで紫さんの川床の記事を眺めていたところです。
もう本当に大河ドラマですよね、ガラスの仮面。コミックスと連載の分とが乖離し始めた辺りでやや戸惑いましたが、今後は書き下ろし新刊も出るようですし、まだまだ目が離せません。

私はTVドラマを見ないのですが、野際さんの月影先生はマンガ家の間でも大好評だったようです。
(大竹しのぶのマヤちゃんよりはいいでしょうね)
なんとなく当時わははーでした。
2007/09/03(月) 23:53 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
「魔女メディア」な、な、懐かしい~~~!!!(笑)
別マは小学生の頃、時々買ってもらって読んでました。(^^)
河あきらさんの「特ダネや~い」も、兄と一緒にかなりハマってました。(笑)
当時、うちの母は超どクソマジメの典型人間だったので、「マンガは子供によくない」と単純に考える性格のため、あまり多くのマンガを買うのを許してもらえませんでした。なので、「ガラスの仮面」は断片的にしか読んだことがないので残念ですが、これはもはや「マンガ」の領域以上の文学作品になっているような気がします。
「紅天女」の能舞台、観てみたいです♪

再現コーナーの部屋・・・アランジアロンゾのキャラクターのぬいぐるみを配置したい気分です(笑)



2007/09/04(火) 09:24 | URL | tanuki #s.Y3apRk[ 編集]
tanukiさん こんばんは
私の母はマンガ世代ではない、と言う理由でいまだに全く読みませんね。
わたしは大方の知識の始まり・探求の芽生えは全てマンガからでした。
そこから出発して色んなことに入り込んでゆく・・・思えば実に色んなことを教わりました。

>河あきらさんの「特ダネや~い」
それは未読です。「いらかの波」はかなりハマりました。
2007/09/04(火) 22:01 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
遊行さんこんばんはv
うわ~~~懐かしいです(>_<)
わたしは確か創刊号を買いました…そしてマヤちゃんが椿姫のお芝居をそっくりそのままするところ、あの赤い椿でしたっけ?をすっとさしだすあのポーズと表情、隣にマルグリットの姿がオーバーラップされているシーンが大好きでした…!!
どのエピソードも面白かったですよね。ラストはあるのでしょうか…
2007/09/04(火) 22:51 | URL | ひろこ #7r4xH7r6[ 編集]
ひろこさん こんばんは
>ラストはあるのでしょうか
ううううう。王家にも七つの黄金郷にも言えることですね・・・

創刊号!山田ミネコの『呪われた城』が掲載されていたという伝説の・・・!
今回会場には'77、'78など古い号数が飾られていて、タイトル見るだけで泣けるのが多かったです。

椿姫!おーありましたね!ああいう表現が『黒百合の系図』にも・・・
2007/09/04(火) 23:35 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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