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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

追悼と追想の近・現代建築

黒川紀章氏がなくなった。
正直びっくりした。昨日建築史仲間と彼の話題で盛り上がったばかりなのに。
先週、国立新美術館に行ったところだ。また近々万博内の国立民族学博物館にも久しぶりに行く予定がある。どちらも黒川氏の設計した建物で、新国立の方はともかく、民博はすばらしい空間だと感じている。
あんなに心が豊に明るくなり、視野が広がるのを実感できる空間はそう多くはない。
建築家としては特にファンと言うこともないが、民博の素晴らしさはどんな人にも知ってもらいたいと思う。
http://www.kisho.co.jp/page.php/100
一方、大阪のソニータワーはとうとうなくなってしまった。
(あそこは使いにくかった・・・)
最近では都知事選とか参院選だったか、立候補してファンキーなオジさんぶりを発揮していた。鉢巻にも驚いたし、奥さんの若尾文子までノリノリだった。「いったいここの夫婦どーなったんだ」と思いつつ、面白く思っていた。いつの間にか「きしょーくん」と勝手に友人らと呼び合っていた。
アイドルなオジさんになっていたのに。
お気の毒である。本当にご冥福をお祈りする。

先日鎌倉の神奈川近代美術館にアントニン・レーモンドと妻のノエミの作品展に出かけた。
mir343.jpg

レーモンドは日本に多くの作品を残した。
二人は二度に亙る日本での長期生活で数々の傑作を生み出している。
帝国ホテルを建てるライトの助手として来日したレーモンドは師匠と別れてから、彼独自の創作への道を歩みだした。
彼の作品からはライトの味わいは感じ取れない。それだけでも師の言葉に納得し、弟子が歩いた道が見えてくるようだ。
mir342.jpg

これはかつてイタリア大使館の別荘だった建物。わたしの所蔵本より。
クリックしてください。IMGP2532.jpg

竹の使い方がいい。
都内では星薬科大学本館、東京女子大講堂などがある。
写真で見る限りステンドグラスがきれいだ。
星薬科大学は星製薬創立者・星一(ほし・はじめ)によって設立されたが、こちらに建物写真などがある。
http://www.hoshi.ac.jp/home/gaiyou/shisetsu.html
修復され、今でも愛される建物。それがとても嬉しい。
しかし女子大講堂の方は危機に瀕していると言う噂だった。

霊南坂自邸の写真を見る。ここの家具やインテリアが素敵だ。それらはノエミの仕事らしい。ノエミの製作したテキスタイルなども展示されているが、とてもモダンである。
mir344.jpg

机が展示されているがとても機能的だと思った。引き出しの構造がすばらしい。

個人邸宅もいい感じが多い。浜尾子爵夫人別邸(浜尾四郎の夫人かと思われる)、川崎守之助邸もすばらしい。モダニズムの旗手であると同時に、長い日本暮らしがその作品に静かな情趣を添えるようになったと思う。
軽井沢の夏の別荘は見るからに過ごしやすそうな良い建物で、現在ではペイネ美術館になったそうだ。
http://www.karuizawataliesin.com/
行ってみたいと思わせる建物だ。

近年かれの下で修行を積んだ前川國男・吉村順三らの回顧展が開催されているので、いい時期の回顧展だと思う。10/21まで。
一方、渋谷の國學院大學の隣にある渋谷郷土博物館・文学館では『住まいから見た近・現代の渋谷』展が開催されている。こちらはクリスマスまで。
IMGP2474.jpg

渋谷区は広いので様々な面を見せる。
あめりか屋や同潤会関係の住宅だけでなく、邸宅も多い。
わたしは近代建築にばかり意識が向くので、そこだけを見てしまう。
現在もその地に建つ建物と言うものは、ここには殆どない。今の撮影写真がある、と思えばそれは横浜や沼田に移築されていたりする。
古い写真しか残らぬものは況や・・・(涙)。。。
一軒一軒丁寧に見て回るが、せつなさが押し寄せてくる。
mir339.jpg

この文学館は余り大きなスペースを持たぬので、展示品を見るだけでなく図録でコンプリートという感じがする。だから詳しくは書かない。
展示室に入るとすぐに同潤会アパートの再現があった。
ドアノブや蛇口などの金物にも心惹かれるものがある。
mir341.jpg

もう二度と戻らないものを眺めて、わたしはただただ憧れるばかりなのだった。

他にも江戸東博で夏目漱石展と並行して、東北大学百年展が開催されているが、中身はここでは挙げないが、さすがに第二番目の帝國大學だけに、入り口の壁いちめんにかつての素晴らしい建物の写真が多数飾られていた。
これらを撮影したいと思いながらも諦めて、チラシだけいただいた。
mir340.jpg


まとまりのない記事になったが、黒川紀章氏のご冥福を祈る意味で、自分の心には丁度良いように思われた。
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コメント
今、確認しました。(遅い)
びっくりです。
選挙後も、自宅を紹介して、テレビに出ていたのに。
2007/10/12(金) 23:24 | URL | 鼎 #-[ 編集]
鼎さん こんばんは
友人からメールが来てわたしもびっくりでした。なんせ丁度噂してたところでしたから。
きしょーくんカワイイよね、とかなんとか。
怪気炎はいていたのに、あれは人生の最後の打ち上げ花火だったのでしょうか。
やっぱり可哀想です。
2007/10/13(土) 00:10 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
私も、Yahooのニュース記事の見出しを見つけた時に、思わず「えっ!?」と、誰もいない部屋で一人で叫んでしまいました(泣笑)
建築家としての活動のみならず、知事選、参院選などにも精力的に動かれていただけに、とても残念です。
でも、過去のVTRを見ていると、ちょっとお痩せになっていたような・・・
ちょっと無理されていたのではないかな、と思いました。
もうご活動を見られないのは惜しいですが、今は本当におつかれさまでした、と申し上げたいです。
ご冥福をお祈りいたします。
2007/10/13(土) 15:48 | URL | tanuki #-[ 編集]
tanukiさん こんばんは
そうですね、改めて最近の映像とか見ると、やつれてるようでもあり、今から思えば体調不良と言うのもきっとそうだったのでしょうね。
明るいキャラで、作品は斬新・活動は精力的、といい感じでしたのに。
せめて遺された作品が恒久的に愛され続けることを願います。
2007/10/13(土) 21:15 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
きしょー君
>いつの間にか「きしょーくん」と勝手に友人らと呼び合っていた。
私もそう呼んでいました。
きしょー君、選挙に出馬して
ファンキーに大騒ぎをやらかしていましたが、
実はあれは「中銀ビル壊されちゃうけど
あれ、俺の作品だよ!
俺の作った国立新美術館とか民博とか
見に来てよ!すげーイイんだよ!」という
自己PRの一環なのだろうと
勝手に思っていました。
それなのにいまだに国立新には行っていない私。
フェルメール、行っておくべきかしらん。
2007/10/14(日) 21:44 | URL | 菊花 #-[ 編集]
菊花さん こんばんは
>自己PRの一環なのだろうと
それもありかも・・・わたしは都知事選のとき、建築家として一つの都市を拵えたいという思いからか、と判断してました。
いいタトエではないですが、ナチスのシュペアーみたいな感じで。

フェルメールね、中世西洋絵画にあんまり食指の動かないわたしが言うのもなんですが、本当によかったです。
あれだけ光を感じる絵はやっぱり凄いです。
他の作品にもいいのがいくつもありました。
わたしはねこ・いぬ探しをしたので、それだけでも楽しかったです。
2007/10/15(月) 21:30 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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