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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

宗旦三百五十回忌記念展

利休の孫に当たる元伯宗旦が今年350回忌を迎えるそうで、裏千家の茶道資料館・表千家の北山会館でそれぞれ展覧会が行われている。

表千家の方の案内。
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このたび3代家元、元伯宗旦350年遠忌を記念して、元伯宗旦(げんぱくそうたん)の手紙を中心とした特別展を開催いたします。
利休居士が生涯をかけて追い求めたわびの茶は、孫の元伯宗旦において、その極致を得たということが出来ます。
その81年の生涯の間にあっては、3人の子息をそれぞれ大名へ出仕させ、千家流の茶をもって家がたちゆくよう心をくだいたのでした。
元伯宗旦の子息、江岑宗左(こうしんそうさ)に宛てた手紙が約240通、家元に残されています。その内より約40通を厳選し、読み下しと解説を付して、宗旦の茶風、子息への思い、交友関係など宗旦の人となりを充分に感じていただける展観を企画いたしました。皆様のご来館をお待ちいたしております。


裏千家の方の案内。
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本年は元伯宗旦居士の三百五十年忌にあたり、茶道資料館では秋季特別展「千 宗旦」を開催いたします。
 千利休居士の孫として生まれた宗旦居士は、少年時代を大徳寺の春屋宗園師の下、禅僧として修行に励んでいました。
 利休居士自刃の後、断絶していた千家が秀吉の許しによって再興されるに伴って還俗、その後の生涯を極わびの茶に徹しました。
 この度の展観では、江戸初期の大名茶横溢の時代に千家茶道の復興に尽くした宗旦居士の足跡を辿り、わび茶の魅力を紹介いたします。
 また、宗旦の四人の息子たちや後に四天王と称される 、藤村庸軒らの掛物や茶道具を通して、宗旦の遺芳を偲びます。




どちらも12月過ぎまで開催している。
わたしは誰の弟子でもないのでどちらに行くのも自由だから、行きなれた裏千家の方へ出かけた。
二つとも廻れば宗旦居士へのいい供養になろうが、片手落ちで許してもらおう。

二つの横書きの書がある。
「懈怠比丘不期明日」清巌筆 「邂逅比丘不期明日」宗旦筆
約束していて出かけたら、不在。そこで懈怠ケタイの比丘云々と書いて残す。帰宅した方はそれを見て邂逅カイコウの比丘云々と返す。
似た字を使っての返信はウィットが効いていておしゃれでさえある。
『鸚鵡小町』は返歌を拵えるのがしんどくて、テニヲハの一つを変えたのを返歌にした話だったか。
テニヲハの一つでも意味が深く変わり、歌そのものが変わるというのは石川淳『紫苑物語』にもあった。
そんなことを思いながら書を眺めるのも楽しい。

宗旦は書のほかにも竹を切って花入れにしたものや茶杓、絵なども残している。
茶道のいいところはその銘の由来などが今日まで伝わっている辺りかもしれない。
こうしたエピソードは好きな人には楽しくて仕方ない。
竹一重切花入 銘面影 竹釣舟花入 銘横雲
これらの名とその形を見て納得のゆくものと、「?」から「!」になるものもある。
大変面白い。

赤樂茶碗 銘太郎坊 長次郎 これよりわたしはノンコウの薄い茶碗が好きだ。
長次郎のこれが何故<太郎坊>なのかはここには書かれていない。
太郎坊とは三好達治の「太郎を眠らせ太郎の屋根に雪降り積む」のように固有名詞ではない名なのかもしれない。
そんなことを思って眺めるのも楽しい。たとえ間違っていても一人で機嫌よく眺める。

消息があった。割と読みやすい文字なので、読めるところだけ読んでいると、茶会が果てた団体さんが読んでくれと言うので読んだが、果たしてどうか。
これで全部きっちり読めたらエエのだが、向うも期待していないのだろう、「がんばってね」と言われた。
…もしかして研究者か学生に間違われたのか?時々わたしは絵解きを習おうかと思うこともある…

二階には又隠写しの茶室がある。悪いTVの見すぎか、狭い茶室でお茶をいただくと「うぐぐ、謀ったな」と言いたくなる。
宗旦も怒るだろう、きっと。
どうしてか茶道具を見たり由来を聞いたりするのは好きなのに、実際の習得にどうしても関心が湧かない。
多分お能の面や衣装を見たり、謡曲の詞書を見るのは好きだが、演能に行かないのと同じ理由だと思う。
山桜さん、一村雨さんは茶道を習うことで身を正されている。
えらいものだ。わたしは道の外にいる。



一階では呈茶がある。立礼式なので気軽にいただく。
見るとわたしの好きな和菓子屋さんからの『大栗』である。
行ったその日は定休日で、買うことが出来ないのが残念だと思い、
「今日はお店お休みでしたね」
「いえ、ちゃんと本日入れていただきました」
賞味期限の改竄で世間が揺れているからなぁ…
「いえ、そやのぉてね、買うて帰られへんのが残念で」
言葉は難しいものです。

これです。おいしいのよ。IMGP2490.jpg

お抹茶と器の彩の妙にときめく。
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北山のほうのチラシや資料を見るうちにそちらにも行きたくなってきた。
植物園へ紅葉狩りの折に行くか、ちょっと悩みたいと思う。
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コメント
こんばんは。

美味しそうなお薄とお菓子!
お薄は自分で点てていただくのもいいけど、上手な人の手にかかったものは格別美味しいですね。
私はかつて、官休庵を少しお稽古していました。 
武家の茶道らしく、すっきりした所作が好きでした。
2007/10/29(月) 22:33 | URL | 紫 #-[ 編集]
紫さん こんばんは
>上手な人の手にかかったものは格別美味しい
本当にそう思います。飲みきった後の残りと口内の触りが違いますね。
武家茶道というのもよいものですね。
官休庵の手の運び・眼の運びがやはり古風な味わいがあるなぁと思いました。
ほかに鎮信流のお稽古を眺めたこともあります。
秋はこうしてお茶をいただくのが楽しいですね。
2007/10/29(月) 23:05 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
>狭い茶室でお茶をいただくと「うぐぐ、謀ったな」と言いたくなる。

遊行さんのご先祖さまの何方様かが、茶室で…なことでも
あったんでしょうか。 外から見ている方が良く分ることも
ありますもの、七恵さんなりの楽しみ方が一番です。

北山の方へも是非。2階で呈茶(立礼)をしているそうですので、
表千家の泡々でないお薄の味も体験してみて下さい。
私も近くだったら宗匠方の講座と合わせて見学したい所です。
2007/10/30(火) 13:51 | URL | 山桜 #-[ 編集]
身を正す?
茶室で「うぐぐ、謀ったなぁ」ですか。
なるほど、さもありなん。
私は着物の展示を見ると「殿、御戯れを~」と
くるくる廻っている様を連想してしまいます~
悪いテレビの見過ぎです。
2007/10/30(火) 22:04 | URL | 一村雨 #-[ 編集]
こんばんは。
樂美術館まで行ったついでにこちらまで廻れば良かったのですが、時間の関係で断念しました。
それにしても今、京都で宗旦関連の展示が計3点行われているのですね。お茶の道は険しいものですが、(?)全部拝見出来ればまた理解も深まりそうです。
お抹茶が美味しそうですね!
2007/10/30(火) 22:34 | URL | はろるど #GMs.CvUw[ 編集]
謀りおったな~~
☆山桜さん こんばんは
えっへっへっ我が家の茶室は蔵座敷といけいけやったそうで、(当然今は地底に沈む)ちょっとそれには人目が多すぎるかも~~(笑)
お茶の点て方も色々異なるのですから、当然味わいも変わりますね。
北山の方にもちょっとがんばって行こうかな、と思案中です。


☆一村雨さん こんばんは
「ア~~レ~~」
言ってみました。
わたしが言ってもちょっとタリないかも。
わたしの世代では「謀ったな」と来ると、
「謀ったなシャア、謀ったな!」
「坊やだからさ」
とついつい連想がそちらにゆきます。
ガンダムだなぁ…♪
やっぱりTVの見過ぎでしたね。
2007/10/30(火) 22:40 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
はろるどさん こんばんは
先ほどはろるどさんの第二ラウンド記事を読んで「おおー」でした。
樂美術館の近所にNTT西陣がありまして(今はネオメイト雅)その建物がモダニズムで素敵なんです。はろるどさんの喜ばれるタイプかも、と思っていたので惜しいことをしました。
お抹茶は本当にさわやかなお味でした。
疲れも消えるのがお抹茶の良いところですね。今度是非行かれてください。
2007/10/30(火) 22:46 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
はじめまして。
「 宗旦350年遠忌」で検索してたどりつきました。
先月、北山会館・茶道資料館とも見に行くことができました。
遊行七恵さまのように見た感想を書くことができればいいなぁ
と思いながら、茶道資料館の展示内容を反芻しておりました。
また寄せていただきますね。
2007/12/07(金) 10:49 | URL | 宗恵 #-[ 編集]
宗恵さん こんばんは
はじめまして。
北山会館はその前まで行ったのですが、時間の都合で入れず残念な思いをしました。どちらも行かれたとのこと、よろしかったら北山会館のことなどお教えくださいね。
今年はやはり各地の茶道関係の美術館でそうした企画が立っています。
宗旦のわびの風情を少しでも感じ取りたいと思って、あちこちハイカイしております。
またおいでください。
2007/12/07(金) 22:44 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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