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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

東洋の美に出逢う

藤田美術館の秋季展覧会に行く。もう120回ということだ。
『東洋の美に出逢う』
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紀元前から明治時代のものまでジャンルにとらわれず、国宝2点を含む約40点の東洋美術を紹介します。 近年、国際的に東洋の歴史、文化に対する関心が高まり、国内においても注目されています。
この「東洋の美に出会う」を通して、わが国の文化にも大きな影響を与えてきた東洋美術を身近に感じていただければ幸いです。

そのススメに従いたい。

聖徳太子勝鬘経講讃図 以前も書いたがわたしは『日出処の天子』のリアルタイムからのファンなので、厩戸王子の半生には関心があるが、聖徳太子になってからの状況にはあまり興味がない。だからこの「勝鬘経講讃」が太子の一大事業とは知らなかった。またいにしえから伝わる絵も像もまだ美少年の(要するに厩戸王子の時代)頃のエピソードをモチーフにした作品が多いので、仕方がない。
太子を上座に、傍らに童子姿の山背王子、そこから僧、蘇我馬子、小野妹子らが一堂に会する構図なのだが、どことなくこの後世の藤原鎌足と子息らの画像と構成が似ているように思うのだ。もしかすると、そうした決まりごとを作った図なのかもしれないとも思う。
段下には蓮の花びらが散っている。
実はこの展覧会の後、御堂筋を歩いていると北御堂の宣伝ポスターに、これとは違う手の同じく講讃図が使われていた。なんとなく仏縁かも、とチラッと思った。

春日明神影向図 高階隆兼 これは藤原北家の流れを汲む鷹司冬平の夢に現れた神の姿である。牛車に乗って庭にまします。しかし牛も消え、さらには神の顔は御簾で見えないままである。神や貴種は顔を描かれないことが多いのだが、なんとなく寒気のするような絵である。そして絵の由来がそこに書かれている。
「先年余夢中奉拝祖神春日大明神俗躰着・・・」藤原家の祖神は鹿嶋から来ている。それが春日大明神になった。平安貴族の見る夢にはどことなく恐ろしさがある。

大伴家持・上畳本三十六歌仙絵 これは佐竹本とは又異なるシリーズなのだが、こちらも断簡なのである。京都の泉屋博古館にあるのはどの分だったか・・・ちょっと失念した。
画像最上段真ん中の絵。

玄奘三蔵絵 上記のうち真ん中右の絵。ただしこちらは前期に出て後期に来たわたしは三蔵法師が持ち帰ったお経がサンスクリット語から漢訳され、その神々しい光が四方に広がる図を見ている。こちらはその前段。

駿牛図断簡 下段真ん中の絵。美童の牛飼。ちょっと俯いている。牛はなかなか賢そうな眼をしている。なんとなく東洋絵画の牛は『十牛図』もあるからか、賢そうな感じがする。ドナドナではないからか。

その隣のライオンは竹内栖鳳の作品で、これは本当に一目で「栖鳳’s獅子」だとわかる。
二階正奥のひときわ立派なガラスの床の間に飾られていた。大きな獅子の絵で、この三畳ほどの間がまるで彼の住処であるようにも思えた。

中蓮華左右藤花楓葉図 本阿弥光甫 これはタイトルに句読がないのでエーとと思うが、三幅対で、それぞれ楓・蓮・藤を描いている。抱一上人も模写していて、そちらの方がもしかすると有名かもしれない。

上段右端はいかにも野々村仁清な宝船である。帆と船と鷁首が陶器、帆柱は紫檀、その先端には水晶がついている。前田家伝来らしいが、すると石川県立美術館の至宝・雉のつがいの親戚筋にあたるのかもしれない。

黒楽茶碗 銘・千鳥 ノンコウ  わたしは楽家歴代の中でも特別ノンコウが好きだ。とにかくノンコウ。あの薄い口縁がよく、図柄がよく、かたちも色も何もかもがよく見える。
黄抜けを千鳥に見立てた銘だが、金色に煌いて見える。本当に、素敵。

萩流水図屏風 二曲屏風で金地に白萩と紫の萩とが咲き乱れている。流水は紺色、足元のキキョウが可憐。しみじみと眺めていたい屏風だか、ちょっと展示の配置がよくないのが惜しい。

今回またもや素敵な仕覆たちが多く展示されていた。本圀寺金襴、興福寺銀欄、宮内間道、藤種緞子・・・しみじみと眺めていたい見事な仕覆たち。

下段左の陶器たちのうち、黄瀬戸がたいへんよかった。実は先にあげたが湯木美術館の前にこちらに来ており、そこでこの黄瀬戸を楽しんだ。あちらは見込みに福の字、こちらは見込みに花が描かれている。

上段左から二つ目の太陽マークのような石器は4世紀のもので南河内から出土した。歯車型と言うことだが、なにか見覚えがある。・・・スーパー・イズミヤのマークにそっくりだった。とたん、頭の中に店のテーマ曲が流れ出した。

さて最後に挙げるのは上段左端の可愛い可愛い青銅器である。全身饕餮文を背負った可愛い奴。饕餮禽獣文兕觥とうてつ・きんじゅうもん・じこう と読む。ジコウの字はもしかすると画面によっては文字化けする可能性がある。ジは凹に足がつき、コウは角偏に光。
大きな丸い目でこちらを見ている。オバQのような大きな口が開いてギザギザな歯が見える。背中にもへんな動物を乗っけているが、本当に可愛くて仕方ない。
これはきっとあれだ、子供の頃に愛したウルトラマンの怪獣や仮面ライダーの改造人間たちへの愛着から来ているのかもしれない。解説文によると、アメリカのフーリア美術館に類似品があるそうで、そいつはもしかすると生き別れの兄弟かもしれない。

フリア美術館からその画像を探そうとしたがあまりに膨大で不可能だった。
それにしても面白いサイトなので、今度ゆっくり眺めてみたい。
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